韓国ガールズグループ「LADIES' CODE」が交通事故に遭い、メンバーのウンビが死亡、リセとソジョンは重傷を負った。
現場の写真を見るだけでも今回の事故の悲惨な状況が分かる。雨によるスリップが原因とみられているが、地方でのスケジュールを終えてソウルへ戻る途中の深夜1時30分の事故は、芸能人の忙しさを物語る。
特に、日本生まれのメンバーのリセは重体で、数時間に及ぶ手術を受けているとの事。日本の家族も韓国の病院に向かっているとの事だ。今回の事故で、芸能人の過酷なスケジュールと韓国の交通事故の現実が浮き彫りになっている。
交通事故の統計を見てみよう。2011年の統計で、車1万台当たりの交通事故の死亡者数は、韓国が2.4名、アメリカが1.3名、日本が0.7名である。同じ年の人口10万人当たりの交通事故の死亡者数は、韓国が10.5名、アメリカが10.4名、日本が4.3名である。
どちらの統計も、韓国が日本の2〜3倍になっている。せウォル号のような特殊な事故でなくても、韓国社会には平均として日本社会の2〜3倍の交通事故がある訳だ。
韓国社会に車が本格的に普及されたのは、1976年から市販された現代自動車の「Pony」だと言われている。日本の三菱自動車の助けもあって、韓国はアジアで2番目、世界で16番目の自動車生産国として仲間入りしている。
その10年ほど前の1965年、今の韓国大統領の父親である朴正煕大統領が、反対デモを抑え、日韓国交正常化を成立させた。植民地時代に対する賠償や援助として日本から韓国に流れた資金は、日本の新日鉄の協力と共に韓国の鉄鋼会社を作ることやソウルと釜山を結ぶ高速道路を作ることに使われた。
鉄鋼産業と高速道路は、自動車産業の追い風になった。オイルショックを以降のアメリカには、維持費の安い日本車や韓国車が飛ぶように売れる。そこから韓国は飛躍的な経済成長を成し遂げ、50年ほどが過ぎた今や、世界有数の先進国になっている。
その過程で、副作用も多数発生してきた。過去の植民地の記憶にとらわれ、「和」や「コツコツ」を重視する日本の文化を拒否し、日本の法律や制度と技術だけを受け入れた結果でもある。そして、「パルリパルリ(早く早く)」を求めた結果、交通事故は前述のとおり増えてしまった。
一方、同じような賠償金や経済援助は他の国にもあったが、大体は政治権力の回りの富を増やすことに使われ、その結果としてその国々は韓国のように先進国入りすることはなかったのだ。
その後の日韓は読者のみなさんが分かっているとおりだ。2002年には日韓ワールドカップ共催、2003年からは日本では韓国ドラマのブームが、韓国では日本のアニメや漫画のブームがあった。2008年ごろからはJ-POPとK-POPがお互いに影響しあって、日韓の大衆は2倍の文化を楽しむ事になったのだ。
しかし、2012年の領土問題や政治問題は両国が育んできた友好の歴史を過去に戻してしまったとも言われている。
今、大衆の喜怒哀楽を歌う才能ある一人の若い女性が、生と死の境目で奮闘している。日本で生まれた彼女は、祖先の国の韓国で韓国語を習いながら、いつかは日韓の大衆と共感する夢をみていた。
リセの回復を祈る。そして、ウンビの冥福を祈る。来年は日韓国交正常化50周年である。
WOW!korea提供