チャン・グンソク主演の『テバク~運命の瞬間(とき)~』。序盤から大いに盛り上げたのが粛宗(スクチョン)に扮したチェ・ミンスと李麟佐(イ・インジャ)を演じたチョン・グァンリョルだった。2人のベテラン俳優に呼応してチャン・グンソクも主役らしく堂々たる演技を見せた。
共演者は芸達者ばかり
『テバク』の第1話はドラマチックな展開で幕をあけた。
チャン・グンソクが登場するのは冒頭の数分間。雪が降る中で、成人したテギル(チャン・グンソク)が、後に反乱を起こす李麟佐(イ・インジャ/チョン・グァンリョルが扮している)と対面する場面が描かれている。
「民のためにならない王は除かなければならない」
テギルが李麟佐にそう強く言う。この言葉によって、今後のテギルの立ち位置が予測できた。最下層の身分に属するイカサマ師とはいえ、テギルは政治が民を苦しめてはいけないという強い信念を持っていたのだ。
そんなテギルに扮したチャン・グンソク。冒頭の数分間だけの登場だったが、凍えるような寒さの中で精悍な表情を見せていた。
冷静に演技を見ると、やや気負いが出ていた。
しかし、悪いことではない。
ラブコメにばかり出ていたチャン・グンソクが、新しい自分を見つけるために『テバク』への出演を決めたのだ。共演者は本格派の芸達者ばかり。その中で主役を張れば、気負いが出るのは当たり前だ。むしろ、それをパワーに変えて、ドラマをグイグイと引っ張る意気込みを見せていた。(ページ2に続く)