話はそれますが、韓国では物をあげたりもらったりしても、日本のように「感謝の言葉」を何度も繰り返したり、「昨日は結構なものをありがとうございました。家族みんなでおいしく頂きました」など、直接的に返礼(手紙、ハガキ、答礼品等)したりしません。後でお世話になったら、そのときどっさり返せばいいと思って何もしないのですが、日本人から見たら、何とぶっきらぼうな民族だとお思いになるでしょう。
話を元に戻します。一般的にお色直しは行いませんが、式が終わった後、別室に近い親族や親戚が集まり「ペベク」を行い新郎の家族に挨拶します。この儀式は、嫁に来た花嫁が新郎の家族に「申告式」を行う場でもあります。「この度、縁あって◯◯家に嫁いできた嫁の△△です。ふつつか者ですがよろしくお願いします」と言う場です。
新郎新婦は韓国の伝統衣装に着替え、新婦はほほに魔よけの赤いしるしをつけて登場します。新郎新婦は、上座に座っている新郎の両親を筆頭に親族にお酒を注ぎ、挨拶をして激励の言葉と金品をもらいます。新郎の父母からはくりやなつめを投げてもらい、たくさん掬い上げるとその数だけ子どもを授かるとされています。
この「ペベク」は、実に和やかなもので新郎や新婦に無理難題を押し付け二人の間や親族の距離を測ったりします。「〈キスをしろ〉とか〈義理のお母さんをおぶって一周しろ〉」等、二人の幸せを祝福します。
この儀式は、家族を大切にする韓国的な儀式で、誰が新郎のどんな縁戚にあたるかを確認する場です。もちろん、いっぺんにわかるわけはありませんが、後ほど親しくなる取っ掛かりになるはずです。
文=権鎔大(ゴンヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大発行/駿河台出版社)
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