「暗殺者(たち)」、論争の中でも1位を守ったが…前売り率は3位に

故ユク・ヨンス大統領夫人狙撃事件をモチーフにした映画「暗殺者(たち)」が、歴史歪曲をめぐる論争と政界の攻防の中でもボックスオフィス首位を守った。ただし前売り率は3位に下がり、公開2週目の観客も1週目より57%減少した。論争によって映画への関心は高まったものの、実際の観客を映画館に呼び込む力は弱まっている様子だ。

6日、映画振興委員会統合電算網によると、「暗殺者(たち)」は前日17万8854人を動員し、ボックスオフィス1位を占めた。累計観客は241万2817人だ。

2位は13万1280人を集めた「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」だ。累計観客は73万6044人に増えた。「タチャ:ベルゼブブの歌」は9万6721人を動員して3位にランクインし、累計観客146万2369人を記録した。「オデュッセイア」は4万6945人で4位、「復活男 ザ・レッド」は3万6090人で5位だ。

現在の観客数では「暗殺者(たち)」が先行しているが、今後の観覧需要を示す前売り順位では競合作品が優位に立った。この日午前7時30分現在、「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」が前売り枚数6万2442枚で1位となり、「オデュッセイア」と「暗殺者(たち)」が続いた。

「暗殺者(たち)」の興行で注目すべき点は、順位よりも観客の減少幅だ。公開1週目に154万6582人だった観客は、2週目に66万7776人に減った。減少率は約57%だ。公開初期に集中していた観覧需要が減るのは一般的な流れだが、3日間続いた連休にも1週目の勢いを続けられなかったという点で、興行の勢いが弱まったことを示している。

一方、映画をめぐる政界の攻防はむしろ激しくなっている。作品に対する評価が政界の対立につながり、映画の話題性も高まった。

論争は作品の内容を超え、出演俳優と制作会社への圧力にも広がった。保守団体によるユ・ヘジンの自宅前でのデモと広告契約撤回要求に続き、海外映画祭のオープニング作品選定撤回要求まで出てきた。ユ・ヘジンの所属事務所VASTエンターテインメントは5日、虚偽事実の流布とプライバシー侵害、身辺脅威などを重く受け止めているとし、俳優の権益と安全を保護するために「可能なすべての措置を取る予定」だと明らかにした。

観客と俳優が直接会う場も相次いで中止された。制作会社ハイブメディアコープは観客と参加者の安全を考慮し、「第31回釜山国際映画祭」の開幕式への出席と野外舞台あいさつなど、予定されていた日程を取り消した。作品をめぐる論争が映画祭の交流や広報活動にも影響を及ぼした。

チェ・フィヨン文化体育観光部長官も、映画「暗殺者(たち)」をめぐる論争が激しくなると、懸念を示した。チェ長官は5日、自身のX(旧ツイッター)を通じて、「映画に対する評価は自由だが、その批判が度を越して出演俳優の自宅前まで押しかけてデモを行い、個人の日常を侵害し、身辺を脅かす事態に至るなら、大変憂慮すべきことであり、決して容認できないこと」と立場を示した。そして警察庁など関係当局に、映画関係者および出演俳優に対する安全措置、居住地前での脅威・脅迫などの違法行為に対する厳正な法執行を強く要請したと付け加えた。

2026.10.06