「スキャンダル」「エージェント・キム」も…オリジナル作品が消える?韓国ドラマで進む“原作頼み”の光と影


映画「スキャンダル」が23年ぶりにリメイクされ、同名ウェブトゥーンを原作とする「エージェント・キム: リアクティベイテッド」と「鉄槌教師」が相次いでヒットするなど、テレビ・配信業界では既存の知的財産(IP)を活用した作品制作が活発になっている。

コンテンツへの投資が縮小する中、実績のあるストーリーと既存のファン層を活用し、ヒットの不確実性を減らそうとする戦略だとみられる。

9日、韓国メディア「Edaily」が、昨年テレビとオンライン動画配信サービス(OTT)で公開されたドラマを全数調査した。週末ドラマと毎日放送される帯ドラマを除く全89作品のうち、原作IPを活用した作品は33作品で、全体の37.1%を占めた。

10年前の2015年には、全45作品のうち原作IPを活用した作品は12作品で、全体の26.7%にすぎなかった。これと比べると10.4ポイント上昇しており、IPを基に制作された作品数も10年間で約3倍に増えた。

原作IPを活用した作品が増えている背景には、制作費の上昇と制作本数の減少があると分析されている。

ドラマ制作会社の関係者は「制作費が上昇し、制作本数が減る中、失敗に対する恐れが大きくなった」と説明。

続けて、「制作するすべての作品で損益分岐点を超えなければならないというプレッシャーから、すでにファン層を持つ原作IPを探すようになる」と話した。

制作環境の変化も影響している。週52時間勤務制が導入されて以降、事前に脚本を確保し、撮影計画を立てることの重要性が高まった。すでに完結した物語を持つ原作ものは、完全オリジナル作品よりも制作過程で生じる不確定要素を減らしやすいと評価されている。

テレビ局の関係者は「ドラマを制作するかどうかは通常、序盤の4話ほどの脚本を読んで決定するが、完全オリジナル作品の場合、その後の展開を予測しにくい面がある」と説明した。

さらに、「原作がある作品は、すでに完結した物語を基に制作できるため、不確実性が減る。脚本の執筆も比較的円滑に進み、撮影現場で生じる不確定要素も減らせる」と述べた。

一方、IPへの依存が強まるほど、完全オリジナル作品や新人クリエーターの活躍の場が狭くなる可能性があるとの懸念も大きい。

大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「企業が多様なクリエーターに投資できるよう、クリエーターと投資家を結び付ける資金調達の機会を拡大することが重要だ」と話した。

WOW!Korea提供

2026.09.10