【記者懇談会】カン・ハヌル×チョン・ヘイン声で吹き込んだ命…韓国アニメの可能性”ク・ビョンモ原作「アガミ」が再誕生

神秘的で美しくも残酷なおとぎ話として知られる作家ク・ビョンモの小説「アガミ」が、生き生きと波打つアニメーションとして新たに生まれ変わった。

アニメーション映画「アガミ」のマスコミ向け試写会と記者懇談会が26日、ソウル・ヨンサン(龍山)区のCGV龍山アイパークモールで行われた。この日はアン・ジェフン監督をはじめ、俳優カン・ハヌル、ユ・ジェミョン、ミュージカル俳優キム・ソニョンが出席し、作品について語った。

「アガミ」は、ク・ビョンモの同名小説を原作としたアニメーション映画だ。原作は2011年に発表され、2018年に改訂版が刊行されて以降も、読者から長く愛されてきた。

深い水の中へ投げ込まれた日にえらが生えた、世界でただ1人の少年ゴンと、彼にとって世界のすべてだった人々を巡る、胸が痛むほど美しい物語を描く。

同作は、「Green Days~大切な日の夢~」「巫女図」などで愛されてきた韓国アニメーション界の代表的な存在、アン・ジェフン監督の手によって新たに生まれ変わった。

映画化に当たり、物語の舞台は原作の韓国からフランスやイタリアへと変更された。アン・ジェフン監督は、「ク・ビョンモ作家がつづった物語の美しさをそのまま生かしながら、映像には新たな変化を加えようと努力した」と語った。

同作は韓国公開に先立ち、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭を皮切りに、イギリスのロンドン・フライトフェスト、イタリアのボローニャ24FRAMEフューチャー・フィルム・フェスト、日本の東京国際映画祭などに相次いで招待され、早くから注目を集めた。

アン・ジェフン監督は、ペンによる作画からデジタルへと移行した今回の制作について、アニメーション監督として新たな手応えを明かした。

監督は、「監督やアニメーターが絵を描く際に生じたミスを、後から修正できる点がよかった」とした上で、「アニメーション界に韓国ならではの『印象』を残そうと努力した」と切り出した。

続けて、「実は世界の人々にとって、韓国アニメーションにはまだ明確な『印象』がない。だからこそ、その『印象』を作ろうとしている」と説明。「今回も登場人物を一目見ただけで韓国人だと分かるような、そうした表現力にたどり着こうと努力した」と伝えた。

アニメーション監督としての並々ならぬ抱負も明らかにした。

アン・ジェフン監督は、「日本のアニメーションには職人精神があり、ハリウッドのアニメーションには資本がある。しかし、韓国にはクリエーターたちの機知に富んだ発想力がある。そうした一面を見せようと努力した。今後も、このような特徴が広く知られてほしい」と語った。

「アガミ」の主要人物であるゴンとカンハは、愛なのか、友情なのか、家族なのか、一言では説明できないほど深く結び付いた関係で、原作ファンから大きな関心を集めてきた。それだけに、想像の中にしか存在しなかった2人のキャラクターに実際の声を与えることは極めて重要であり、俳優たちも多くの努力を重ねたという。

アン・ジェフン監督は、「アニメーションの吹き替えは、俳優にとってリスクのある選択だと思う」と切り出した。

さらに、「特に韓国アニメーションの吹き替えをしようと決心すれば、さまざまな意見を耳にすることになると思う。だからこそ、俳優を選ぶ際には明確なキャスティング理由がなければならないと考えた」と説明した。

映画祭で観客からさまざまな意見を聞く中で思い浮かんだのが、現在のボイスキャストだった。そうして抜てきされた俳優たちは、監督の期待を上回る努力を見せたという。

監督は、「カン・ハヌルさんはアニメーターとも積極的にコミュニケーションを取り、芸能人による吹き替えが抱える問題点についても率直に話してくれたので、ありがたかった」と語った。また、チョン・ヘインも制作会社を訪れ、並々ならぬ努力を重ねたと付け加えた。

 

アン・ジェフン監督は、「原作ではゴンの声だけが明確に描写されている。チョン・ヘインさんの顔を見ずに声だけを聞いた時、ゴンが思い浮かんだ。チョン・ヘインさんをよく知るリュ・スンワン監督からも話を聞いた」と、キャスティングの理由を明かした。

続けて、「チョン・ヘインさんも忙しい日程の中で、ゴンにふさわしい声を一緒に探していった」と語り、密度の濃い話し合いを重ねたことを説明した。

生と死の境界で揺れ動く繊細な感情は、俳優たちの声の演技によって、より深い没入感を生み出している。チョン・ヘイン、カン・ハヌル、イ・チョンア、ユ・ジェミョン、ミュージカル俳優キム・ソニョンの声は、作品の物語に鮮やかな息吹を与えている。

生きるためにえらが生えたゴンの声は、チョン・ヘインが担当した。心に空白と孤独を抱え、深く傷ついたゴンに、チョン・ヘインは哀切を帯びた声で命を吹き込んだ。

この日、チョン・ヘインは以前から決まっていた撮影日程のため出席できなかったが、事前に「ありがたく、不思議な気持ちだ。原作のファンとして、この作品に参加できただけでも幸せだ」と感想を伝えた。

カン・ハヌルは、この世に存在してはならないゴンにとって、唯一の世界となったカンハを演じた。力強く、ややとげのある声の演技で、これまでの温かなイメージとは異なる一面を見せている。

しかし、声の収録という特性上、チョン・ヘインとカン・ハヌルが実際に顔を合わせて演技することはなかったという。

カン・ハヌルは、「チョン・ヘインさんと一緒に話しながら収録することはなかった」とし、「録音室には1人で入るため、声の演技で一緒に呼吸を合わせることは簡単ではない。ただ、ヘイン兄さんが先に録音しておいた音声があったので、必要な場面ではその声を先に聞き、話す速さや声のトーンをつかんでいった」と説明した。

ゴンとカンハの関係については、「僕もたくさん検索してみたが、この作品が与えてくれる最大の面白さは、解釈の違いにあると思う。僕から説明することには、あまり大きな意味がないように思う」と慎重に言葉を選んだ。

イ・チョンアはゴンと特別な縁を結ぶ女性ヘリュを、ユ・ジェミョンは幼いゴンを救い、黙々と見守る老人を演じた。

ユ・ジェミョンは、「本格的な吹き替え演技に初めて挑戦した」とし、「慣れない部分もあり、心配も多かったが、仲間たちと一緒だったので勇気をもらえた。新鮮で新しく、不思議な経験をしたように思う」と感想を伝えた。

続けて、「声の演技でも老人を演じることになるとは思わなかった」と冗談交じりに話し、若いキャラクターへの意欲をのぞかせた。

また、物語への満足感も示した。

ユ・ジェミョンは、「海へ行くと、ふと心の傷をさらけ出し、自分の経験を語ることがある。この作品にはアニメーションならではの作画が加わっているため、より豊かな感性で、傷が生まれた理由について深く語ることができてよかった」と伝えた。

さらに、「僕が更年期なのか、感受性が豊かになった」と笑いを交えながら、「そのような視点から話すと、僕たちの作品はファンタジーのように見えるが、非常に現実的なメッセージが溶け込んでいる」と切り出した。

そして、「劇中で傷を過剰に扱うのではなく、その傷がどこから来たのかを静かに問い掛け、水面を眺めるように他者との関係を見つめる姿勢がよかった。観客の皆さんにも、こうしたメッセージが飾らずに伝わってほしい」と語った。

ミュージカル俳優のキム・ソニョンは、ゴンの世界を揺るがす事件を引き起こすイニョンの声を担当した。

キム・ソニョンは、「声の演技に参加するのは初めてだが、とても楽しい経験だった」と感想を伝えた。劇中でキム・ソニョンが演じるイニョンは悲運の女優で、その点について「共感する部分が多かった」と付け加えた。

一方、韓国アニメーションの可能性を示した映画「アガミ」は、9月9日に韓国で劇場公開される。

WOW!Korea提供

2026.08.26