“最初の一手”というタイトルに込められた覚悟の通り、今作にはバンドとしての挑戦と進化が詰め込まれている。
全10曲を通して描かれるHi-Fi Un!cornの“今”と“これから”。その制作秘話や楽曲に込めた想いを、メンバー自身が語った。
――Major 1st Album『FIRST MOVE』のアルバムタイトルには、どのような意味が込められてるのでしょう。
テミン:『FIRST MOVE』は、チェスやゲームなどでの“最初の一手”を意味します。僕らもメジャーデビューしたので、“もう練習の時間は終わり。これからが本番だ。音楽で勝負をかけよう”という意志を込めて付けたタイトルです。
――アルバムに収録されている10曲を1曲ずつ解説してもらいましょう。「COMPASS」はどんな曲でしょう。
テミン:「COMPASS」はアルバムのオープニングを飾る曲。Hi-Fi Un!cornの今とこれからを曲にしました。歌詞は、「確かな答えがなくても、ひとり一人の胸の中のコンパスを信じて進もう」という内容。僕ら5人が初めて作詞に参加しました。最初にみんなで集まってこの曲を聴いたときに出たイメージが、“冒険”や“旅”……、アニメ『ONE PIECE』みたいなイメージでした(笑)。そこからコンパスというテーマを決めて、僕らのことを歌詞にしていきました。
ヒョンユル:全員で集まって、誰かが出したアイディアをブラッシュアップしていく感じで作っていったのですが、けっこう時間がかかりました。1日では終わらないくて、行き詰ったら別のパートをやってまた戻ったり、みんなでごはんを食べてみたり(笑)。
シュウト:「できた!」と思っても、次の日に見ると「ここちょっと違うんじゃない?」となって。でもそうやって時間をかけて作ったから、レコーディングの時に歌詞の一つひとつに感情や想いを込めながら歌えました。1曲目にふさわしい曲になったと思います。
――2曲目の「HUNGRY HEART」は、アルバムのタイトル曲です。
ヒョンユル:内面の欲望をそのまま素直に表現した曲です。日々生きていると、挫折や絶望もある。それでも「もっと足りない、もっと前に進みたい」と願う、素直な心の叫びを歌う曲です。
シュウト:K-POPとバンドのいいとこ取りなサウンドに仕上がったんじゃないかな? サウンドが激しいので、それに負けないボーカルの太さや、熱量を研究しながらレコーディングに臨みました。
テミン:僕も今までと違って、キレイに歌うばかりよりもシャウト発声法をトライしながらレコーディングしました。
ヒョンユル:パワフルな曲だから、パフォーマンスも本当にワイルドにしたくて。だからめっちゃ激しく動きたいんだけれど、ギターのフレーズが難しくて、大変なんです(笑)。
ミン:この曲は、楽器3人のチームワークもすごく重要。僕とベースのギユンくんのリズムが大事なので、2人での練習を集中してやっています。
ギユン:うん。キターとベースの間にドラムのスネアとキックが細かく入っていたりする。そこは今までとちょっと違って、楽しいところでもあります。
――デジタルシングルのジャケットのイラストは、ヒョンユルさんが描いたそうですね。
ヒョンユル:はい。欲望が、本能や理性を支配した様を描いています。スーツは社会人の制服じゃないですか。人が社会でだけ見せる表の顔の象徴です。でも“心臓=欲望”がそれよりも前に出てきて動く人を意味してます。この絵のポイントは心臓なので、心臓を描く線の1本1本の太さにこだわりました。うしろのモヤモヤは、“霧”です。霧で進む先が見なくても、本能で前に進むという意志を込めています。
シュウト:深い! ヒョンユルくんのイラストを見るたびに、鳥肌が立ちます。このイマジネーション力、真のアーティストだなぁ。

――「HUNGRY HEART」は、ミュージックビデオ(MV)も制作したんですよね。
ミン:はい。ジャケット写真とMVは、渋谷で撮影しました。ジャケット写真は、渋谷の歩道橋の上で撮ったのですが、僕たちに気づいてくれた方も。その日はすごく寒かったのですが、我慢して、カッコよく撮りました(笑)。
ヒョンユル:MVはクラブで撮影しました。僕たち、クラブに行くのが初めてで、テンションが上がった! エキストラさんと一緒に踊って楽しみました。お酒を飲むシーンもありますが、あれは演技で、実際はエナジードリンクでした(笑)めっちゃおしゃれなMVになりました。
ギユン:今回、ソロティザー用に演奏シーンのシルエットを撮影したのですが、これが、すごくカッコいい! ぜひ見ください!
――「HUNGRY HEART」は、「まだ足りない」と渇望する曲。自分に足りないモノは何だと思いますか?
ミン:体力かな。ドラムには絶対的に必要なものなので、今、筋トレをして身体を鍛えているところです。
ギユン:僕は、新しい知識を覚えることに渇望しています。バンドって、楽器の技術だけじゃだめ。表現も大事だと思っていて。表現力を磨くためには、知識も必要。映画を見たり、本を読んだり、学生の時にはしてなかった勉強をしたり(笑)。努力をしています。
テミン:僕はまだボーカルとしてもっと成長してくて、ボーカルの練習を一生懸命しています。同時に楽器も好きなので、いつかHi-Fi Un!cornの曲を全部ピアノとギターで弾ける人になるために、楽器の練習もしています。最近はライブでエレキとアコギ両方を弾いているし、今回は「白昼夢」で初めてピアノも弾いています。ギターはヒョンユルくんに、ピアノはギユンくんに教えてもらっています。音楽に常にハングリーですね。
ヒョンユル:僕は、スティーブ・ジョブズを尊敬しているので、彼がスピーチで引用した「Stay Hungry, Stay Foolish.(貪欲であれ、愚かであれ)」という言葉に影響を受けています。だから、デビューしてからやることは全部、ハングリー。ギターも絵も、作曲も作詞も、いろいろな部分がまだまだ足りない。もっとうまくなりたくて毎日頑張っています。
シュウト:僕も、日々その表現力を磨いている途中ですね。曲調に合わせて歌い方を変えてみたり、どういう感情で歌えばどういう声が出るのか、日々、研究をしています。
――3曲目の「Beat it Beat it」は、メジャーデビューシングルの表題曲です。
ヒョンユル:この曲は、一目惚れした時の心臓のドキドキが曲になっています。イントロが圧倒的なのに、シュウトの歌いだしで一瞬にして空気感が変わる。ジャンプするところもあるし、雰囲気がいろいろ変わるところが面白い。
シュウト:イントロから歌いだしへの流れは、「Hi-Fi Un!cornにようこそ!」って感じがするよね。
――4曲目の「SUPER DUPER」は、GRe4N BOYZが楽曲を提供。TBS火曜ドラマ『未来のムスコ』の挿入歌に起用されました。
ギユン:ドラマ見ましたか? 1話で息子が未来からお母さんに会いに来たところで「SUPER DUPER」が流れたんですけれど、すごくドラマに合っていて、感動しました。
シュウト:次の日、練習室で「昨日、見た? めっちゃいいところで流れた!」と盛り上がったよね。
ヒョンユル:僕たちはドラマ『ROOKIES』を見ていた時に、「『キセキ』すごくいい曲だね!」と話していたから、GRe4N BOYZさんに曲を提供していただけると聞いたときは、本当にびっくりしたし、本当に嬉しかったです。
――この曲のデジタルシングルのジャケットも、ヒョンユルさんのイラストですよね?
ヒョンユル:はい、そうです。初めて聴いた時、おもちゃ箱がひっくり返って、そこから音が出てくる印象を受けたんです。それを表現したくて。絵は止まっているから、動きがある感じを出すのが難しかったなぁ……。ドラマの内容がタイムリープだから時計を入れたり、ドラマのティーザーに使われていたようなカラフルなあしらいを加えたりもしました。
――5曲目の「白昼夢」はどうでしょう。
ミン:この曲は「眠っていても夢に見るぐらい会いたい」、「夢なのか現実なのか区別がつかないほど会いたい」という忘れられない大切な人への想いを曲にした、アルバム唯一のバラードです。タイトルを英語の「デイドリーム」にするか、日本語の「白昼夢」にするか迷って、日本語にしました。それも僕らには、挑戦でした。
テミン:僕はピアノに挑戦しています。最初、イントロが難しすぎてできないんじゃないかと思った(笑)。でも、どうしても自分で弾きたくて、頑張りました。
――6曲目の「Marionette Wire」は、反骨精神に満ちたロックナンバーです。
テミン:マリオネットワイヤーは、操り人形のワイヤーのこと。「他人に操られる人生はもういらない。僕らの正解は僕らが決める」という僕ら5人の宣言です。この曲も僕らが作詞に挑戦しました。オーディションを経て結成されたバンドですが、間もなく3周年を迎える僕らは、バンドとして、そしてアーティストとして、音楽的にやりたいことがどんどん増えています。だから、「僕らがやりたい音楽をやる!」という意思表示です。
ヒョンユル:テミンが「『トイ・ストーリー』みたいに、夜になるとおもちゃが動き出す世界はどう?」とアイディアを出して。「それ、いいじゃん!」となってこの世界観の歌詞をつけました。
(2ページに続く)












