昨年の4月からミニ・アルバム『D’s WAVE』を引っ提げ、日本を含むアジア各国を巡ってツアーを行ってきたD-LITE。今回はそのツアーの“アンコール公演”となったが、昨年12月に発売されたニュー・シングル『HANDO-CHOGUA』収録曲の日本初披露に、今年、20周年を迎えるBIGBANGをフィーチャーしたコーナーなど、新たな演出や映像も加え、別のツアーのような新鮮な気持ちを呼び起こす内容となった。
場内が暗くなり、メインステージの前面を覆うビジョンに宇宙を連想させる映像が映し出される。そこに重なるD-LITEの声が徐々に遠くからこちら側へと近づいてくると、ライブは『D’s WAVE』収録曲の「Universe」で幕を開けた。本ツアーでも1曲目に据えられていた曲だったが、オープニングの演出を変えたことで全く異なる印象を受けた。本ツアーはマグマが一気に湧き上がるような熱さだったが、今回は徐々に熱を帯びていき最終的に同じ温度の塊ができたような熱さだった。歌いながらD-LITEは煽るというより、呼びかけるように観客にコールを促し、一体感を高めていった。
2曲目「Fly Away」からの前半戦は、本ツアーとは曲順を変え、流れに変化をつけることで曲の新たな一面を引き出す。本ツアーでは中盤から後半戦への区切りの位置に配されていたロックナンバーの「Wolf」は5曲目に。「Laugh It Off」から「BABY DON'T CRY」と切ない想いがにじむバラードに続いて歌われたことでコントラストができ、よりD-LITEの野性味のある歌声が際立った。ステージが照明で赤く染まり、時折、炎が上がる演出も加わって、歌詞に込められた力強いメッセージが視覚も伴って伝わってくる。歌い終えるとD-LITEは「歌う時、ホントにウルフになっている気がしますよ」と笑いながら語っていたが、あながち冗談でもないような、言葉を超えた魂に直接訴えかけてくる歌だった。
約8年ぶりに発売した日本語歌詞の曲である「Umbrella (Japanese ver.)」は、セットリストの中で最適な位置を見つけていた。温かなギターサウンドが印象的な「Falling Slowly」、目の前のファン一人ひとりに語り掛けるように歌われた「Light」と、どこかに優しさを感じる曲たちと一緒に並べられたことで、“この歌がリスナーの傘となって、心配や恐怖を乗り越えられたら”というメッセージがより深く染み入ってきた。
インターバルには、この日本公演のために収録されたと思われるインタビュー映像が用意されていた。アルバムタイトルであり、ツアータイトルでもある“WAVE”には声の波形や、人生の浮き沈みなどの意味が込められていることを明かしつつ、“WAVE”にまつわるQ&Aにも回答。その中で「この映像を観てくださっているということは、僕が無事にコンディションを回復してステージに立っているということなので」と、体調が思わしくないことをうかがわせるコメントもあった。実は、今回のアンコール公演は3月に東京公演も予定されていたが、喉の治療と回復のため、この大阪公演を持ってツアーが終了することが決まっていた。それゆえに、心配しながら会場に足を運んだファンも多かったはずだが、前半は不安を感じる場面はなく、むしろここから “声”も含む、持てる力を全部詰め込んだようなライブが繰り広げられていった。
日本語で歌うのはかなり久しぶりというトロット(韓国版演歌)曲「テバギヤ (A Big Hit!)」で、観客とコールアンドレスポンスを交えて盛り上がると、今回のライブの肝となった中盤ブロックに突入する。
D-LITEは「次のゲストなんですけど、本当に遠いところまで来てくださって……」と言い、観客がざわつくと、さらにゲストを匂わせるような発言を続ける。「次のステージ、楽しんでください」と言い残して、一度、舞台裏へ。すると、SOL(TAEYANG)のソロ曲「Where U At」のイントロが鳴り、ステージ中央にキャップを目深にかぶった……SOL と思いきやD-LITEが登場! 観客は歌い出したところでSOLではないと気づくのだが、D-LITEはダンサーも従え、SOLを完コピ。最初は笑っていた観客も、段々とその精度の高さに引き込まれていき、ソロ公演ではダンスを踊る場面が少ないD-LITEが、ダンスで魅せる貴重な瞬間ともなった。
D-LITEはSOLのモノマネをしつつ、「誰が来ると思ったんですか?」と観客に尋ね、自分の誘導に騙された反応に「すごく悪いなという気持ちでステージに立ちました」といたずらっ子のような表情をして謝罪。ただ、それを楽しんでくれたファンには、「ありがとう~」とめいっぱいの感謝を伝えた。
しかしD-LITEは「実はこれは次のための……」と、再び、ゲストがいるような匂わせをする。ステージが暗くなり、半信半疑なファンがざわざわする中、G-DRAGONの「Heartbreaker」のイントロが鳴り……もちろん、登場したのはD-LITEだ(笑)。今度は観客も即座に対応。まるで自分の曲かのように気持ちよさそうに歌うD-LITEとともに、体を揺らしたり、ペンライトを振ったりしながら楽しんだ。
「もしかして、ホントにG-DRAGONが来ると思った方」という問いかけに、客席から結構な数の手が上がり、D-LITEは「よし!」と言って満足気な笑顔を見せる。ただすぐに謝罪し、SOLの時と同様、申しわけない気持ちがあったことを告白。しかし、観客も自分たちを楽しませたいという気持ちからというのは言わずとも理解していて、笑って許していた。
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