容赦なき怒涛のホラー・エンタテイメント『ヌルボムガーデン』、夜の庭で何が起こったのか…本編映像解禁

韓国には“三大心霊スポット”として知られる恐怖の名所が存在する。『コンジアム』(19)の舞台となった京畿道広州市の<コンジアム精神病院跡地>。朝鮮戦争で死亡した学徒兵の埋葬場所とされる慶尚北道ヨンドク郡の<慶北ヨンドク刺身店>。そして、レストラン経営者の一家に降りかかった不幸な出来事と、いくつもの怪談が語り継がれる忠清北道堤川市の<ヌルボムガーデン>だ。

『女神の継承』『チェイサー』のプロデューサーであるク・テジンが、このヌルボムガーデンを題材にしたホラー映画の製作を熱望。監督デビュー作として自ら脚本も担当し、禁断の恐怖が渦巻くプロジェクトを実現させた。物語の舞台となるヌルボムガーデンと名付けられた大きな庭があるこの家には、窓辺や物陰に正体不明の人影が出没し、事故物件のマイホームを舞台にした“家系ホラー”として進行。都市伝説、呪術、ミステリーなどの要素が巧みに絡み合いながら展開していく。

本編映像が捉えるのは、夜のヌルボムガーデンで起こった不穏な出来事

自殺した夫が生前購入していた邸宅ヌルボムガーデンを相続し、ひとりで住むことを決意したソヒ。解禁となった本編映像が捉えるのは、本作の日本版ビジュアルで捉えた夜のヌルボムガーデンで起こった不穏な出来事だ。新生活を始めたソヒの引っ越し祝いに集まった姉ヘランの家族たち。ヘランの子どもたちは庭に出てブランコで遊んでいた。幼い姉のジウォンは茂みの中に何かの気配を感じ、その方へと向かう。「どうしてそこにいるの?引っ張ってあげる?」と話しかけながら、懸命に手を伸ばす。ジウォンの悲鳴を聞いたヘランが慌てて庭に飛び出し、状況を聞いても娘は「叔父さん…」と泣きながら答えるのみだ。しかし、その場にいた幼い弟のドンヒョンが見たものは全く違っており、ふたりは翌日、自分たちが見たものや話したこともなぜか一切覚えていなかった。ジウォンの手を引っ張ったのは一体何者なのか、続きが気になる映像となっている。

本作で脚本も手がけたク・テジン監督が、実存する場所を題材としたホラー映画を作ることにしたのは、この場所の名前に惹かれたのが理由だという。ヌルボムガーデンは韓国語で<常に春である>という意味を持ち、「こんなに美しい名前である場所で、なぜこのようなことが起きたのか…そんな皮肉を感じたのです」と語る。そんな監督は、本作において場面ごとの恐怖の度合いを意識しながら製作をしたという。このシーンで茂みの中におぼろげに描かれる霊のようなものについて「ホログラムのようにも見えるし、あるいは心霊写真のようにも見えます。実際は存在していないけれど見えてしまった…そんな設定で、そのくらいのレベルでの恐怖を描いたものです」と説明。このシーンは映画の前半に当たる場面だが、物語が進むにつれ、主人公のソヒが見た夢や彼女が様々な人たちと関わる実際の経験…といった風に、恐怖の描かれ方やその度合いも強まっていく。

コメントは、大島てる(事故物件サイト運営)、崔盛旭(映画研究者)、人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)、野水伊織(映画感想屋声優)、村田らむ(ライター・漫画家など)、りゅうあ(心霊アイドル)の6名が、それぞれの言葉で本作が捉えた恐怖や見どころを表現。ぜひチェックしてみてほしい。

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2025.01.15