(11/13(月)公開記念イベント オフィシャルレポート)
先んじて本作を鑑賞したでか美ちゃんは「どのカットもこだわりを持っていて色彩やコントラストが美しかった。ストーリーはわかりやすさがある中で、貧富の貧に焦点を当てていたりして、見た目のポップさとは裏腹に物語のヘビーさもあって深みを感じた」と絶賛。町山は「施設から脱出するところから始まり、ゴア映画が始まるのかと思いきやホノボノとした日常的なところで話が進む。普通だったら軍が出てきたりする展開もあるのに、町の駐在さんがモナ・リザを追いかけたりして規模が小さい。超能力もSFXを使わずに表現しているので安上がり!」と評価。SUGIURUMNも「超能力が出てくるのに、物語はほっこり系。あ、良い話なんだ…と驚いた。音楽もハウス系でカッコいい」と気に入っていた様子をみせた。
超能力を持つ主人公モナ・リザを演じたのは、Netflix『バレリーナ』(23)で注目を浴びたチョン・ジョンソ。でか美ちゃんは「瞳の奥に何も見えない感じが凄い。ご本人自身もミステリアスな雰囲気をまとっていて私生活が見えてこない」と評し、奥浜も「背景がセリフで語られないのにモナ・リザを表現できる凄みがあった」と感心。町山は「『バレリーナ』の役も背景が明かされなかったので、続けて観ると『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』の前日譚のようにも受け取れる。実はチョン・ジョンソはデビュー作『バーニング 劇場版』(18)でも謎の少女役だった。不思議な役が似合う俳優であり、英語が喋れるのも強みだと思う」とストロングポイントを挙げていた。
モナ・リザと出会う貧乏ダンサーのボニー・ベルを演じたのはケイト・ハドソン。『あの頃ペニー・レインと』(00)で一躍注目されたクール系美女だが、でか美ちゃんは「今回は文字通り体を張っている。あんな見た目になるなんて…。ちまちまとお金を巻き上げようとする姿に、日々精いっぱい生きている女性としての姿が現れている」とヘビーな姿に絶句。町山も「『あの頃ペニー・レインと』当時はまさに妖精のようだったが、今回はまさにホワイトトラッシュ的な役どころ!よくこんな役をやったなと…。登場した時、彼女だとはわからなかった」と驚いていた。一方、『あの頃ペニー・レインと』以来のケイトファンという奥浜は「ファンとしては色々な役を演じるケイトを見られるのは嬉しい。ボニーの描き方も奥深くて多面的だったので、アミリプール監督ならではの女性像がしっかりと現れていたと思う」とその俳優魂に震えていた。
監督を務めるアナ・リリ・アミリプールは、オリジナリティ溢れるセンスを発揮していることから、“次世代のタランティーノ”という呼び声も高い。ヴェネチア国際映画祭では、最優秀サウンドトラック賞、サウンドトラックスター賞を受賞するなど音楽センスも際立っている。町山は「ゴブリン系の80年代イタリアンホラー的な音楽がずっと流れていて、イタリア系のミュージシャンを起用している。物語の舞台であるニューオリンズといえばジャズとブルースなのにそこらへんは使用せず、イタロディスコとかジョルジオ・モロダー系。不思議な趣味の持ち主だと思う」と音楽センスに脱帽。でか美ちゃんも「エンドロールを見た時に、曲数の多さに驚いた。それだけ音楽が作品にフィットしていたということ。選曲理由を知りたい」と興味津々だった。魅力あふれるキャスト陣、作品を彩る音楽など新鋭監督が魅せたこだわりといった本作の見どころを存分に語ってくれた。
トークイベント後にはRISING SUN ROCK FESTIVALやFUJI ROCK FESTIVAL等にも出演し世界的に活躍するアーティストSUGIURUMNがDJプレイを行った。『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』の世界観をイメージした楽曲を披露し、最後にはナット・キング・コールの名曲「モナ・リザ」で、大盛り上がりのイベントを締めくくった。イベントはDOMMUNE公式YouTubeチャンネルでアーカイヴ視聴が可能。
アーカイヴ視聴URLはこちら。https://www.youtube.com/watch?v=okLEitl0NOg
★トークイベントを終えたでか美ちゃんから熱いコメントも!
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