夜の「ミニシリーズ」は若者にターゲットを絞ったものが多く、週末になると歴史に題材をとった「大河ドラマ」が定番。人気になると、高い視聴率を稼ぐお化けドラマも少なくない。ドラマ王国の面目躍如といったところだ。
当時は撮影現場が過酷だった
テレビ局は世評に敏感
「ミニシリーズ」も「大河ドラマ」も週2回の放送が基本なので、撮影現場のスケジュールは超ハード。1日20時間の撮影も多く、女優も化粧する時間がないと嘆くほど。台本もスケジュール次第でコロコロ変わる。それこそ出演者もスタッフも寝る間もない忙しさで撮影に没頭しなければならない。
製作の現場を何度も見たことがあるが、怒号が飛び交ってピリピリした緊張感が漂っていた。まさに真剣勝負の場だと感じた。
こうして製作されたドラマをさらに見やすくさせているのが、テレビ界の独特な慣習である。それは、ドラマの途中にCMが入らないのである。ならば、いつCMが流れるか。答えは、ドラマが始まる前と後である。ドラマが始まったら最後まで中断がないので、CMで興ざめすることがない。
「韓国でテレビドラマの途中にCMが入ったら視聴者は嫌気がさして見ないですよ」
そういう声が一般的だ。
かつては韓国でもドラマの途中にCMがあったのだが、放送法が改定されてそれが禁止となった。法律でそう規定されているから、韓国ではドラマの途中にCMを流せないのである。
そこまで法制化するところが韓国らしいと思った。韓国ではたとえ民間放送でもテレビは「公共の電波」という意識が非常に強く、政府や市民団体による監視が厳しい。当然ながら、テレビ局も世評に敏感にならざるをえないのだ。
そのテレビ局の数だが、ソウルを例にとると、3大ネットワークと言われるのがKBS、MBC、SBSである。その他に、教育専門放送、ローカル放送がある。また、ケーブルテレビも非常に発達している。すべて2003年当時の話だ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
コラム:ロコレ提供
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