「イテウォン(梨泰院)事故」発生当時、最初の119番通報がされる1時間ほど前、現場で生配信をしたあるインターネット放送配信者(BJ)が、交番を訪れて圧死事故の危険を知らせたが、警察は「私たちもそこに入れない」と応対していたことが分かった。
アフリカTVで“クワックワッ”という芸名で活動しているクァク・ヘインは、29日夜ソウル・ヨンサン(龍山)の梨泰院一帯でリアルタイム配信を行った。
彼女も「押さないでください」「倒れそう」と叫んで、群衆の人波に巻き込まれ、持っていたかばんを失くし、午後9時16分頃に近くの梨泰院交番に向かった。梨泰院交番は、事故が発生した現場の路地から100mほど離れた所にある。
彼女は、「(道で)人々がずっと押し合っている。事故が起きそうだ。(かばん)の紐が切れてしまって、押されるからかばんがなくなった」と警察に事故の危険性を知らせた。
これに警察は、「どこで失くしたのか、十分に分からないということですね」と言って、「朝になれば紛失物がすべて届くだろうから、その時まで待ってもらうようになりますけど」と答える。
そうしながら、「でも、私たちも今そこに入るのはちょっと厳しいですね」とつけ加えた。
すると彼女は、「でもあの場所は、警備が必要だと思うけど、本当にけがをしそうだ」とし、警察は「私たちも警備を一旦しに出ている」と答える。
彼女は交番を出た後、「ここでは配信できない。踏まれて死ぬ」とし、「(坂を)上がっていたが、上から何百人が押してくる。上で本当にこんな風に挟まれて、いっしょに下りてきた」と話した。
また、「上から押されるので圧死する所だった。そこで倒れたら、かなりのけがをしてみんなに踏まれただろう」とも強調した。
彼女の交番訪問後、午後10時15分頃、梨泰院駅の1番出口からハミルトンホテル裏手のワールドフードストリート方面に上がる上り坂で、人が踏まれたという119番通報が入った。
この事故で、現在まで154名が死亡し、149名が負傷した。
WOW!Korea提供