チェ・ウシク×キム・ダミ主演『その年、私たちは』は誰もが経験したことのある恋愛の瞬間を描いた青春逆送ラブストーリー。映画『The Witch/魔女』のキム・ダミ、チェ・ウシクが再び共演し、チェ・ウシクの親友であるBTSのVがOSTを担当したことでも話題になっている。
掴みどころのない主人公たち
ドキュメンタリーは誰でも主役になれる。本作は学年トップのクク・ヨンス(キム・ダミ)と学年最下位のチェ・ウン(チェ・ウシク)をモデルにドキュメンタリーを撮影するところから始まる。
その名も『賢い学校生活』。爽やかな青春ドキュメンタリーになるはずが、まったく正反対の2人はぶつかってばかり。そんなリアルな姿が共感を呼び、10年の年月を経て2人が29歳になった時それは大ヒット動画になっていた。シーズン2を希望する声に答えようと制作側から撮影を依頼される2人だがヨンスとウンには快諾できない理由があった。
喧嘩ばかりしていた2人は実は付き合っていたのだ。そして傷つけあって別れた。10年後2人が再会したところからそんな過去が少しずつ明らかになっていく。喧嘩ばかりしていた2人がなぜ恋に落ちたのか、そしてなぜ別れなければならなかったのか。
その真実がときには笑いも交えながら丁寧に紐解かれていく。本作は各話のエピローグも侮れない。エピローグでは登場人物の心理がより一層繊細に描かれ、本作の作りの丁寧さがうかがえる。
『梨泰院クラス』で一世を風靡したキム・ダミが本作では現実主義の広報専門家を演じ、また違った魅力を見せてくれている。
一方、チェ・ウシクは映画『パラサイト』やドラマ『ホグの愛』などで人気を博した俳優。本作では性格の穏やかな建築イラストレーターに扮している。弱さの中に凛とした強さを持つ人物を演じさせたらチェ・ウシクの右に出るものはいない。チェ・ウシクは若手俳優の中でも群を抜いた演技力を持つ俳優だ。
「時間と共に変わるものは描きたくない。だから人物は描かない」というウンのセリフがやけに心に刺さる。まだまだ明らかにされない主人公2人の心の奥底にあるものをさらに知りたくなるようなセリフだ。また、ヨンスが繰り返し言う「만약에말이야~/マニャゲマリャ~」(日本語訳:もしもさぁ~)も印象的。強がっていても実は常に愛を求めているヨンスの隠れた姿に共感する視聴者が多くなりそうだ。
本作には『刑務所のルールブック』や『ヴィンチェンツォ』で人気を博したキム・ソンチョルも出演。2人の同級生でもあり動画監督としてキーマンになりそうなキム・ジウン役を演じている。
『その年、私たちは』は誰もが経験したことのある恋愛の瞬間を描いて視聴者たちを魅了している。
文=朋 道佳(とも みちか)
コラム:ロコレ提供
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