「192カ国、171カ国」
第75回カンヌ国際映画祭の監督賞受賞作「別れる決心」と、男優賞受賞作「ベイビー・ブローカー」が世界最大の映画市場であるカンヌフィルムマーケットを通じて先行販売された国家数だ。
「別れる決心」はこれまでの韓国映画最多販売記録を保有した「パラサイト 半地下の家族」(以下「パラサイト」)の205カ国に迫る成果で、「パラサイト」以降、確実に変わった韓国映画の地位を示していると評価された。
韓国映画が国際映画祭の受賞だけでなく海外輸出でも成果を出し、新型コロナ感染症パンデミック以降、リオープニング時代のグローバル市場で地位を高めている。カンヌ国際映画祭期間中に開かれて先月25日に終わったカンヌフィルムマーケットでは、CJ ENMの「別れる決意」と「ベイビー・ブローカー」のほか、NEWの「魔女 Part2. The Other One」(以下「魔女2」)、Megabox Plus Mの「HUNT」なども海外セールス会社及びバイヤーの関心を一身に受けた。
「ミニマムギャランティ」と呼ばれる"版権料"も大きくアップした。通常、海外セールス契約は、最低契約金額を先に支払い、その後発生する追加収益を配分するミニマムギャランティ方式で締結する。今年のカンヌフィルムマーケットで、韓国映画の期待作はミニマムギャランティが少なくとも2倍以上に跳ね上がったという。版権料は演出監督や出演俳優の認知度、受賞の有無などによって価格は千差万別で"対外秘"とされる。ただし既存の韓国映画1編当たりの平均版権料は5万ドル(約654万円)内外と言われている。期待作の場合、従来5万ドルで買っていた映画が、今年は10万ドル(約1308万円)で売れるという。
コ・ギョンボムCJ ENM映画事業本部海外事業部長は「ミニマムギャランティがコンテンツの潜在的価値を測る指標」とし「今年、韓国映画の価値は2~3倍高くなった」と述べた。「興味深いのは『パラサイト』の時、安いミニマムギャランティをつけて入札に失敗したバイヤーが、今回攻撃的なセールスを行った。それで金額が全体的に高くなったようだ」と説明した。
来る15日、韓国での公開を控えた「魔女2」の状況も同じだ。「魔女2」は今年のカンヌ映画祭の公式招待作ではなかったにもかかわらず、海外セールス社とバイヤー間での版権購入競争が激しい。「魔女2」はカンヌフィルムマーケットの2日目と3日目にマーケットプレビューを行ったが、それ以前にすでにアジアや北米など主要地域への販売は完了した。NEWの流通事業系列社であるCONTENTS PANDAのイ・ジョンハ本部長は「『魔女2』の販売はまだ終わっていないが、同じレベルの映画で比較すると、以前より2倍ほど高い金額で契約が行われている」とし「単に『魔女2』だけの話ではないだろう。Kコンテンツがブームになり、韓国映画の版権料が大幅アップし、それを通じて韓国映画が主流になったというのを実感している」と話した。
最近は韓国映画の海外輸出の不毛地帯だった南米も版権を買っている。キム・ギョンマン映画振興委員会(以下、映振委)海外輸出政策研究チーム研究員「南米はわずか数年前、映振委が韓国のセールス社を連れて行ってどんなに交渉しても関心を示さなかったのに、今では向こうから問い合わせが来る」とし、「パラサイト」と「イカゲーム」ブームの影響が大きいようだと分析した。彼は「『パラサイト』が北米で大きな人気を集め、隣接している南米にも関心が広まったようだ」とし「『イカゲーム』はブラジルでも人気だったようで、数値的には目立つほどではないが確実に南米でも需要が生まれている」と話した。
今年の初め、映振委が発表した「2021年韓国映画産業決算」の資料によると、韓国映画の海外売上総額(契約金額+現地配給収益)は、2021年4303万ドル(約56億3100万円)で、前年度2020年の5415万ドル(約70億8600万円)より20.5%減った。これは新型コロナ感染症の余波によって韓国の新作映画の公開延期が続出し、海外販路が減ったためと分析される。
5月に入って「犯罪都市2」が800万観客突破を目前にするほどの内需市場を活性化させ、エンデミック時代を切り開いた。「犯罪都市2」は前作の成功と主人公マ・ドンソクの認知度によって132カ国に先行販売された。ここに6月からカンヌ国際映画祭とカンヌフィルムマーケットで成果を出した「ベイビー・ブローカー」「魔女2」「別れる決心」の相次ぐ韓国公開と海外輸出が、映画産業の実績改善を超えて、韓国映画がグローバル市場の重要な軸として位置づけられるよう導くものと観測される。
WOW!Korea提供