JYJパク・ユチョンが、現実にどこかにいるような「彼氏の美学」で女心をしっかりつかんだ。劇中で無愛想ながらも彼女の前では一匹の犬のように愛嬌を振りまくことができる男チェ・ムガクに扮して、まるであるがままの姿のように自然な演技でその魅力を十分に発揮している。
30日に放送されたSBSの水木ドラマ「匂いを見る少女」の10話では、バーコード連鎖殺人の容疑者クォン・ジェヒ(ナムグン・ミン)に対する鋭い推察力を発揮しながらも、鈍感だったりやさしかったり、まじめだったかと思うとキュートな魅力でチョリム(シン・セギョン)の心を捕らえた。
ムガクは良い瞬間も、悪い瞬間もいつもチョリムのそばにいてくれた。過去の記憶が思い出されて悲しむチョリムをぎゅっと抱き締めて大きな手で背中をなでてなぐさめてくれる姿は優しい男の見本のようだった。とても心配してチョリムを見つめるムガクの視線としきりに「大丈夫だよ」と言う低い声が、チョリムだけでなく女性視聴者の胸にしっかりと打ち込まれたことは言うまでもない事実だろう。
そしてチョリムの代わりに皿を洗ったムガクは、「顔がくすぐったい。代わりにちょっと掻いてくれ」と顔をつき出した。そこでチョリムが、「感覚が戻ったの、感じるの?」と驚くとしばらく悩んだムガクは、「ここは感じるか感じないか、一度やってみて」と言いながら唇を突き出した。しかし一度のキスで満足できなかったムガクはすぐに「弱くて感じないみたいだ」といたずらをした。しらばっくれたような表情や自然に現われる愛嬌は、一匹の大型犬のようなキュートな面をそのごとく見せてくれた。
やさしいと思えばいつのまにかまたいじけたりするのも彼の魅力だった。チョリムからかかって来た電話を受けたムガクは「何で電話したんだ」とつっけんどんに答えたかと思うといつのまにか口元に浮び上るほほ笑みを隠すことができない。また会食があるというチョリムに、「ご飯少しだけ食べて来なさい。僕と食べるんだから」とふてくされたようなムガクの様子は視聴者まで笑えませてしまう。
ムガクのちょっと変わってはいるが彼女一筋の様子も女心を揺さぶる要因中の一つだろう。ムガクは倒れて気を失ったチョリムの代わりにベッドに横になってチョリムと仲良く抱きあっているのを想像した。そして、「海が好き、山がすき?夏が好き、冬が好き?私は海、夏が好き」というチョリムの言葉に正反対に答えて、「だから君が好きな海も行って、僕が好きな山も行けるだろう」と白々しい言葉も躊躇なく発した。
ユチョンは今までMBCの「ミス・リプリー」、「会いたい」、SBSの「スリー デイズ」などの作品を通じて多少重たいキャラクターをこなして来たが、今度の「匂いを見る少女」では真剣であるが親しみやすいチェ・ムガク役を演じて女性が願うボーイフレンドの見本を見せてくれている。彼は鳥肌が立つようなサイコパスの連鎖殺人魔の演技で心臓が凍えるようなキャラクターのナムグン・ミンとは違う意味で、「胸のときめき」を誘発するロマンス演技で今後も視聴者をドラマに惹きこませるだろう。
「匂いを見る少女」は、3年前のバーコード殺人事件で妹を失った無感覚な男と同じ事故にあって奇跡的に意識を回復したが以前の記憶を皆失った超感覚の持ち主である女姓の話だ。毎週水、木曜日の午後10時に放送される。