俳優ソン・スンホンが、トルコの旅「taste of Turkey」のDVD、フォトブックの発売を記念し、東京、名古屋、大阪でイベントツアーを開催するため来日。イベント初日となる11月13日(木)、東京国際フォーラムにて、約1年ぶりにファンと触れ合った。
「taste of Turkey」は俳優として忙しい日々を送っているソン・スンホンが、約10日間の短い休みを通じて、日常から離れ、ヨーロッパとアジアの文化が共存する西アジアの国、トルコを旅行。
トルコの代表的なスポットであるアヤソフィア聖堂、ブルーモスクなどギリシャ正教会文化とイスラム文化が共存する建物、イスタンブールのいろいろな名所を海から眺められるボスポラス海峡、そして、トルコ最大の市場グラントバザールの観覧。
また、トルコ中央の高原地帯で映画「スターウォーズ」のロケ地で有名なカッパドキアの遺跡や風景などを満喫できるジープサファリツアーと洞窟ホテルでの宿泊、また早朝に熱気球に乗って眺める絶景など、素晴らしいトルコの魅力をソン・スンホンと一緒に収めた作品だ。
この日会場は、後方までぎっしり埋め尽くされ、ソン・スンホンとの1年ぶりの再会に胸をときめかせるファンの熱気で充満する中、「taste of Turkey」の上映会からスタート。
ガイドブックを片手に、興味津々の様子で街歩きをするソン・スンホンが映し出され、中でも露店で初めて飲んだというザクロジュースや、ネバネバしたトルコアイスと呼ばれるドンドゥルマを無邪気に食べ歩きする姿が新鮮に映った。また、ドラマ「Dr.JIN」を見たというファンから写真撮影を頼まれ、「トルコでも知られているとは」と驚きつつも、「模範的に生きないと」と韓流スターらしく表現し、ニッコリ。
ジープサファリツアーでは、「こんな絶景は初めて見ました」と目の前に広がるカッパドキアの大自然に感動し、両手を大きく広げて、エネルギーを体いっぱいに浴びたソン・スンホン。生まれて初めて熱気球に乗り、地上700メートルまで上昇すると「骨までしびれてくる」と怖そうにしながらも、「この景色はカメラには収まりきれないから、目に焼き付けないと」と感激しまくり、「まるで別世界でした」と興奮気味に語った。
約1時間の上映が終わった後、いよいよソン・スンホンの登場。「スンホンさ~ん」というファンの熱い呼び掛けに、「こんにちは」と手を振りながら、セーターを着たカジュアルな装いで、ステージに現れたソン・スンホンは、会場全体を見渡した後、「こんにちは。ソン・スンホンです。皆さんにまた会えて本当にうれしいです」と日本語であいさつ。マナーの良さ、人柄の良さが表れるほほ笑みは健在で、ソン・スンホンの相変わらずのハンサムぶりに、ファンからは悲鳴のような大歓声が湧き起こった。
ここからは司会の川原みなみの質問に答える形で、トークコーナーへ。この1年は、韓国で映画「情愛中毒」が春に公開された後、中国に渡り、女優リウ・イーフェイと中国のベストセラー小説を原作にした映画「第3の愛」の撮影に入り、最近クランクアップしたというソン・スンホン。川原から「今日初めてお会いしましたがあまりに美しくてビックリしました」と言われ、「ありがとうございます」と照れまくるソン・スンホンは、映画の話からトルコの旅エピソードまでたっぷり語った。
まず、映画「情愛中毒」について、「僕が演じたキム・ジンピョンというエリート軍人は、部下の妻を愛するようになり、不倫と言われても仕方ないんですが、自分にとっては初恋だと信じる女性と出会い、恋の渦に巻き込まれていくという物語」と説明し、韓国でも公開当時話題となった初のベッドシーンは「あまり心配はしていませんでした。映画を見れば、そのシーンの必要性が理解していただけると思ったので。全てを捨てて、誰かを愛するというキム・ジンピョンは、今まで演じたどのキャラクターよりも愛着が湧きました」と明かした。
また、「第3の愛」では、ある企業の後継者を演じ、弁護士の女性と叶わぬ恋をする切ないラブストーリーを展開。撮影現場のスチールとして、台本を読んでいる姿や空港のシーン、クランクアップしてスタッフと打ち上げで撮影した団体写真も公開し、「スポットライトを浴びるのはキャストや監督ですが、一つの作品が届けられるまで、陰で100人以上のスタッフが支えてくださるおかげで、素晴らしい作品ができるんです」とスタッフへの感謝も忘れないソン・スンホン。ちなみに、「情愛中毒」、「第3の愛」と2作続けて切ないラブストーリーに出演したので、次回の映画は、明るい作品になるとか。「楽しみに待っていてください」と期待を高めた。
続いて、話はトルコ旅行のことへ。「情愛中毒」の撮影が終わってから、今春に行ったというトルコ旅行は「自由に、自分が行きたかったところを選んで、ステキな景色を皆さんにも見せたいという気持ちで、映像や写真に込めました。僕がガイドになったつもりで撮影したので、皆さんもこれを見ながらステキな時間を過ごしていただければ」と伝えた。
トルコの主食はパンで、3食パンだったが、好き嫌いをしない方なので、トルコ料理もおいしく食べたというソン・スンホン。中でも、ケバブが一番おいしかったとか。また、トルコアイス屋では、観光客相手のパフォーマンスが長く、なかなかアイスを食べさせてくれなかったことに「少しイラッとした(笑)」と本音も明かし、会場も思わずクスッとさせられた。
世界で一番美しいと言われるブルーモスクなど壮大な建築物を実際に見た感想としては、「幼いころ、映像、テレビ、本などで見ていた場所に実際に行ったので、童心に返ったような気持ちになったし、夢を見ているようでした」と振り返った。
また、映像にはないエピソードを聞かれたソン・スンホンは、「生命の危機を感じる大事件があった」と切り出し、カッパドキアの洞窟ホテル滞在中、早朝ジョギングに行ったときの出来事について語り始めた。「ジョギングをしていたら、向こうから犬3匹が僕に向かって走ってきたんです。普通の犬なら、人間に対して威嚇はするけど、襲ったりはしないじゃないですか。でも、その犬たちは、僕を噛み殺そうとしている目つきをしていたんです。だから、とにかく逃げようと思って走ったんですが、犬も追いかけてきて、もうすぐ後ろまで来ていたので、とっさの判断で逆に僕がその犬たちを威嚇しようと、勇気を出して大声を出したんです。今考えてみても、あんなに大声を出したのは初めてですね(笑)。当然、犬たちは逃げるだろうというシナリオでした。ところが、僕を真ん中にして、犬たちがグルグル回り始めたんです。ライオンとか虎が、獲物を襲うタイミングを見図るように。そのとき、“ああ、こうして僕の人生はトルコで終わるんだな”と(笑)。でももう一度、さっきより大きな声を出して威嚇したんです。そうしたら、一瞬犬たちがひるんだので、その隙に一目散に逃げました。そのときのスピードは、おそらくオリンピックで1位を取れるくらいだったのではないかと思います」とニヤリ。今でこそ、面白おかしく話せるが、「人間というのは、交通事故などに遭った瞬間、自分の人生が走馬灯のように巡ると言いますが、あの犬たちと目が合った瞬間、逃げている瞬間がまさにそれでした」と危機一髪体験を明かした。
もともと高いところは好きではないというソン・スンホンだが、熱気球も初体験。死ぬまでにしておきたいことの一つだったとか。スカイダイビングとバンジージャンプもその中に入っていたが、バンジージャンプはすでに体験済み。スカイダイビングもどうしようか迷ったあげく、やらないことにしたのはある理由からだった。「スカイダイビングをするときに背負うパラシュートが、千回に1回か、1万回に1回、開かない可能性があると聞いて、やめました。それに、犬に襲われそうになった事件の後だったので、トルコでこれ以上の冒険はやめようと(笑)」と慎重派な一面を覗かせた。
今回のトルコの旅を振り返り、「純粋な旅行はほとんどしたことがないので、貴重な経験になりました。今回も、ステキな風景を皆さんに見せようという目的もありましたが、僕自身が個人的に一人旅をしているかのようにリラックスしながら旅行することができたのは、本当に久しぶりだったので思い出に残りました」と感慨深そうな表情を浮かべた。
「行きたいところはたくさんあるのに、行っていないところの方が多い」と話すソン・スンホンは、「日本でもステキな場所が多いと聞きましたが、東京、大阪、伊豆以外はまだ行ったことがないので、いいところがあればぜひ紹介してください」とし、「忙しく日々を送っていると、ふと“今日1度でも広い空を見上げたかな”と思うくらい、ゆとりのない状態で生活している方が多いですよね。旅行は自分自身を振り返ることができるし、疲れた心を癒すことができる時間になると思います」と旅の魅力について語った。
トークコーナー後は、プレゼント抽選会へと移り、ソン・スンホンが「taste of Turkey」のDVDと写真集をサイン入りで5人にプレゼント。さらに、歌のプレゼントとして、「エデンの東」で流れた「時が過ぎれば」を熱唱し、ファンの熱い声援が飛び交った。
歌い終えたソン・スンホンは照れくさそうにしながら「毎回、イベントで歌を歌うんですが、今回も歌わなきゃいけない? とスタッフと話をしたんですよ(笑)。僕の歌が上手ければ、1日10曲歌うのも問題ないんですが。歌の実力が足りないのに、皆さんが喜んでくださるので、本当にありがたいです」とファンに感謝した。
そして、最後に「僕が俳優として演技ができること、素晴らしい作品に出演できるのは、みなさんの応援があるからこそだと思います。ファンが望まない俳優は意味がないし、存在できません。僕は性格上、内向きなところがあるので、消極的な形でしか感謝の気持ちを表現できませんが、僕にできることは、素晴らしい作品を通して、皆さんにステキな思い出を作ること。それが僕にとってのベストだと思うので、これからも頑張っていきたいと思います。このような皆さんとの触れ合いが、ずっと長く続くことを願っています」と真摯に語るソン・スンホンに客席からは大きな拍手が送られ、イベントの幕が閉じた。
ステージ上で、最後まで名残惜しそうに、客席の隅々まで大きく手を振り、笑顔を向けたソン・スンホンは、帰りに来場者全員とハイタッチをし、最後まで心を尽くしたファンサービスでファンを見送った。
今回のトルコの旅を通して、初めての食べ物、体験など初めてづくしのことに感動・感激したり、子どものようにはしゃいでいたソン・スンホン。彼の魅力あふれる素顔は「taste of Turkey」でチェックしよう!
ソン・スンホンジャパンオフィシャルファンクラブ:http://songsh.jp/
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)