「取材レポ」「KIM NAM GIL THE SECRET」キム・ナムギル ファンミーティング 「友へ」を歌いながら、涙を流した理由とは?

 140326_kimnamgil_2077fr©スタージェイエンターテイメント

 

「お・も・て・な・し」

ステージに登場したキム・ナムギルが、両手を合わせて挨拶すると、客席からは大歓声。「実は、『アイーン』にしようか迷ったのですが、昨日ホテルのレストランのウエイターさんに聞いてみたところ、『お・も・て・な・し』を勧められたのでこちらにしました(笑)」と秘話を明かして会場を沸かせた。

ドラマ『赤と黒』や『善徳女王』で演じた憂いを秘めたキャラクターが人気のキム・ナムギルが、3月26日(水)にパシフィコ横浜でファンミーティングを開催。前日25日(火)に続き2日連続のイベントで、1日目のテーマは「赤の館に伝わる愛の物語」。2日目の26日は、「あなたに伝えたいこと・黒の館の秘密」がテーマで、「THE SECRET」というタイトル通り、デビュー当時のエピソードや家族のことなどを、ユーモアを交え、たっぷりと語ってくれた。

140326_kimnamgil_2207fr©スタージェイエンターテイメント

 

まず、最初のコーナーは、シークレット・トーク1「今なら話せるでしょ!!」

キム・ナムギルの初期の代表作といえば、『頑張れ! クムスン』。スクリーンにショートヘアーの初々しい姿が映ると、会場からは「ヒュー!ヒュー!」と大きな歓声が上がった。キム・ナムギルは、下を向いて、舌をぺろりと出し、恥ずかしそう。「カッコイイー!」「かわいい!」という声が飛ぶと、「なんだよ~」と日本語でいいながら、照れた表情を見せた。

「この作品で初めてテレビに出演し、当時は本当にたくさん怒られました。なぜかというと、その前は舞台で活動していたので、どうしても動きが大きくなってしまったんです。例えば、『お別れのキスをするね』と言うときも、舞台をやっていたときのクセで、大声でセリフを言ってしまい、監督には『いったいあの男はどこから連れてきたヤツだ!』と怒られました」と、笑った。

「でも、そんな経験があってこそ、今の自分がいるんだと思います」と、下積み時代を振り返るキム・ナムギル。「音楽は1、2ヶ月練習をするとうまくなりますが、演技はすぐに上達しません。演技には、人生で積み重ねた経験が出るからだと思います」

 

また、オフの日にすごし方については、「普段はスケジュールがタイトなので、家に帰ることができません。だから、オフの時は家族と過ごすようにしています」と、家族を気づかう優しさを見せた。

「どんなに遅く帰っても、嫌なことがあった日には、時に罵声も交えながらその日にあったことを母親に話すんです。でも、『演技が上手く行かずに大変だったんだ』と話しても、母は変わらないトーンで、うなずきながら聞いています。実は、母は早く寝るので、僕が出るドラマを見ていないんです(笑)」と、母との仲むつまじいエピソードを語ったキム・ナムギル。

「皆さんも家に帰ると、家族がいらっしゃると思いますが、人は本当に独りでは生きていけないと思います。つらいことは分かち合えば半分になり、喜びは倍になります。これから皆さんと僕も、悲しみや喜びを分かち合っていきたいと思います」

_STK0154fr©スタージェイエンターテイメント

 

トークのあと、キム・ナムギルが出世作『善徳女王』で、ピダム役を演じた時の映像がスクリーンに。

「ピダムが守るお姫様のトンマン役。ここで、やってみたくありませんか?」という司会の呼びかけに、「やってみたい!」という声が、会場のあちこちから飛ぶ。

抽選で選ばれたのは、神奈川在住のファン。ドラマのワンシーンで流れるセリフを言うはずが、「頭の中が真っ白で、感情を込められません~」と緊張気味のファンは、セリフを忘れて、「サランヘヨ!」を繰り返すばかり……。キム・ナムギルは、そんなファンに優しく腕組みし、新作『サメ~愛の黙示録~』の台本にサインを入れてプレゼントした。

140325_kimnamgil_0080fr©スタージェイエンターテイメント

 

白のスーツから黒のジャケットに着替えたキム・ナムギル。後半は、まず、一問一答からスタートした。

小学校の時の夢は?「大統領」

学生時代に一番好きだった歌は? 「悲しいバラード」

身体で一番好きなところは? 「お尻」

自分を動物に例えると? 「狼」

結婚するならどんな人がタイプ? 「誰でもOKです!」

テンポの速い質問に、即興でユーモアを交え、頭の回転の速さをうかがわせる。会場はその都度拍手や爆笑に包まれ、テンションも急上昇。

 

そして、『サメ』のキスシーンがスクリーンに映し出され、キム・ナムギルが恥ずかしそうにする中、ステージの端から共演者のイ・スヒョクが登場すると、会場のボルテージは最高潮に達した。

「ナムギルさんは、撮影現場でふざけている時もあるのに、カメラが回ると集中し、切り替えがすごく早いんです」と、イ・スヒョクの評価に、「食べて生きていくためにやっているんです」とジョークで切り返すキム・ナムギル。一方、キム・ナムギルのイ・スヒョク評は、「“長い”という印象があります。彼はスタイルがよく、有名なモデルでもある。横に立ちたくないですね(笑)」。さらに、イ・スヒョクの太ももを触り、「僕はふにゃふにゃなのに、彼は硬い。いいですね~」と会場を笑わせた。

ここで、3月13日に33回目の誕生日を迎えたキム・ナムギルを祝うため、ステージの上に大きなケーキが登場。会場の全員が一体となって「Happy Birthday to You」を歌い、キム・ナムギルが息をいっぱい吸い込んでろうそくを一気に消すと、ファンからは大きな拍手が送られた。

_K518707©スタージェイエンターテイメント

 

その後は、歌のコーナーに。

映画『美人図』の撮影中に、大切な友人を交通事故で失ったというキム・ナムギル。同じ役者として、「もっといい役を演じてみたい」という夢を語っていた友人のために選んだ曲は、「友へ」。途中から目を潤ませ、最後は感極まった表情を見せたキム・ナムギルに、会場のあちこちから「ファイティン!」という声援が飛んだ。

「喉がつまってしまい、歌い続けられるか心配でした。みなさんにも周りに大切な人がいると思いますが、そばにいるときに、大事にしてあげてくださいね」

そして、「僕は君を愛している」、尾崎豊の名曲「I LOVE YOU」の韓国語バージョンと、愛にまつわる曲を感情たっぷりに歌い上げた。

_STK0170©スタージェイエンターテイメント

 

鳴り止まぬアンコールの声と拍手の中、再び登場したキム・ナムギル。「緊張します」と言いながら、オフコースの「言葉にできない」を弾き語り、「僕のせいで、みなさんが沈んだ気持ちで家に帰るといけないので、雰囲気を変えてみます(笑)」と、ラストは総立ちのファンが手にしたペンライトが、大きな波のように揺れる中、ドラマ『ビーチボーイズ』で反町隆史が歌った主題歌「Forever」を熱唱した。

歌い終わると、演劇のカーテンコールのように、両手を大きく開いて一礼。そして、両手を合わせて「お・も・て・な・し」のポーズをして、ステージを去ったキム・ナムギル。ユーモアたっぷりな語り口、そして後輩の役者から愛される素顔。幅広い魅力溢れるイベントだった。

 

取材Korepo(KOREAREPORT INC)

KIM NAM GIL JAPAN OFFICIAL FANCLUB  http://www.namgil.jp/

 

2014.04.10