「コラム」JYJジュンスの兵役問題の核心は何?

ジュンス

JYJのメンバーを見ると、ジェジュンが陸軍の軍楽隊で軍務中であり、ユチョンが補充役としてソウル市・江南(カンナム)区役所で兵役の代替勤務をしている。このようにジェジュンとユチョンが不在の中で、残ったジュンスがソロ活動を熱心に行なっている。彼の入隊はいつになるのだろうか。

 

兵役年齢の計算方法

ジュンスの誕生日は1986年12月15日と公表されているので、この誕生日をもとに彼の兵役問題を考えてみよう。

韓国・兵役法の第2条の2項に次のような記述がある。

「兵役義務の履行時期を年齢で表示する場合、“○○歳から”というのは、その年齢になる年の1月1日からを、“○○歳まで”というのは、その年齢になる年の12月31日までを指す」

この文章は、誕生日は兵役年齢の計算に関係がないことを示している。

つまり、「現在年-出生年」で割り出した年齢が、その年の1月1日から12月31日まで適応されるということなのだ。

具体的に言うと、1986年に生まれた人は、たとえ誕生日がいつであろうと関係なく、「2016年-1986年=30歳」という兵役年齢が、今年の1月1日から12月31日まで継続して適用されるということだ。

ジュンスの場合は、12月15日という年末の誕生日なのだが、実際には1月から兵役年齢が30歳として計算されている。

 

リミットは30歳

兵役法の第61条に、兵役の延期に関する規定がある。

1項では「大統領令が決めた事由によれば、兵役義務履行期日の延期は可能」と書いてあるのだが、「その延期は30歳を越えてからはできない」という規定が付加されている。つまり、どんな理由があろうとも、かならず30歳までに兵役に入らなければならないということだ。

また、徴兵検査を受けた人はすみやかに軍務につかなければならないのだが、兵役法の第60条では、次に該当する人は召集を延期できると説明している。

・高等学校以上の学校に通っている学生

・研究機関で相応の課程を履修中の人

・国威発揚に貢献した体育分野の優秀者

正当な理由で入隊を延期できるのは、主にこの3つである(3番目の国威発揚に貢献したというのは、五輪の銅メダル以上、アジア大会の金メダル、FIFAワールドカップのベスト4以上、などを指している)。

残念ながら、芸能活動は正当な延期理由に入っていない。そこで、スターの多くは大学や大学院に在学する形で入隊を延期している場合が多い。

あるいは、兵務庁に対して詳細な芸能活動を報告して延期の申請を受理してもらっているケースも多いと言える。

ジュンス2

どんな理由なら延期が可能?

ジュンスの生年月日が公表通りの1986年12月15日と考えれば、彼は今年の1月1日から兵役年齢は30歳になっている。入隊を延期できるリミットであり、事情がどうであろうとも、今年中に入隊しなければならない。

私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)は各地で「韓流スターと兵役」に関する講演を行なっているが(今後は6月29日が東京、7月9日が大阪で予定)、その際に「ジュンスは双子の兄がいて、その兄が兵役中なので延期が可能と言われていますが、本当ですか?」という質問をよく受ける。

つまり、「双子であれば、入隊をずらせるのか」ということだ。韓国の徴兵制を取材して16年になるが、双子なら延期の特例を受けられるという話は聞いたことがない。兵役法にもそういう規定はないようだし、双子も兄弟の一つの形だと考えれば、双子だけに便宜をはかることは考えにくい。

ただし、「本人がいないと家族を支えることができない」という切実な理由があれば、入隊の延期が可能になったり、兵役の中身が軽減されることはよくある。

いずれにしても、兵務庁に提出する書類によって審査を受け、兵役の延期が決定する。その際に「今は芸能活動の最盛期で、このまま活動に専念したい」というのは大きな理由になるに違いない。けれど、それが可能なのも30歳までである。

 

3人が揃う期間は遅くなる

JYJで言うと、ジェジュンが入隊したのは昨年の3月31日である。陸軍の兵役期間は21カ月なので、彼は今年の12月31日に除隊になる予定だ。

ユチョンが兵役に入ったのは昨年の8月27日だ。以後、JYJでは、3人とも1986年生まれなのに、ジュンスだけが兵役入りを延期している状態になっている。

3人一緒の活動を重視すれば、できるだけ早めにジュンスも入隊したほうが効率的である。3人が同時期に兵役に入っている期間が長いほうが、除隊後に3人が揃う期間も早まる。それは誰もが考えることだろう。

その理屈から考えると、ジュンスの入隊が延びれば延びるほど、除隊後に3人が揃う時期も遅くなる。ファンにすれば、このあたりが気掛かりだ。

要は、ジュンスが兵役をいつまで延期できるのか、という話ではなくなっている。それよりも、ジュンスが他のメンバーと同じように早く入隊しないのはなぜなのか、ということが気になる。

彼の真意をうかがうことは難しいが、歴然とした事実が残る。かつての東方神起の5人のメンバーのうち、ジュンスを除く4人はみんな兵役に入っているということだ。

たとえソロであっても、今は芸能活動ができるのはジュンスのみである。それは初めての「唯一の機会」であり、そういう場でチャレンジしてみたいことがたくさんあるのではないだろうか。

ジュンスの兵役問題は、アーティストとしての彼の個性をどう発展させるべきか、という問いを含んだ問題でもあるに違いない。

 

文=康 熙奉(カン ヒボン)

コラム提供:ロコレ
http://syukakusha.com/

2016.06.14