ドラマ『イ・サン』では、即位式当日に暗殺団が正祖(チョンジョ)の命を狙うシーンが描かれる。それは史実と違うのだが、正祖の暗殺未遂事件は後に実際に起こっている。まさに、王宮の中でドラマのような緊急事態が発生していたのだ。 慶熙宮が正宮だった 正祖は1776年に即位したが、1777年7月28日に事件は起…
21代王・英祖(ヨンジョ)が歴代王最高齢の82歳で崩御すると、孫のイ・サンが22代王・正祖(チョンジョ)として即位した。その即位は、父の思悼世子(サドセジャ)を死に追いやった政敵の老論派(ノロンパ)との闘いの始まりを意味していた。 大規模な粛清 1776年、即位した正祖が王として最初に…
金宗瑞(キム・ジョンソ)は4代王・世宗(セジョン)の統治時代に活躍した重臣だ。豪快な性格と毅然とした態度から、人々は彼を“大虎(テホ)”と呼んだ。6代王の端宗(タンジョン)がわずか11歳で即位したとき、最強の後見人になったのが、この金宗瑞だったのだが……。 王をおどした叔父 端宗が14…
26代王の高宗(コジョン)が即位したときにまだ11歳でした。父の興宣大院君(フンソンデウォングン)が摂政を行ないましたが、彼は荒廃していた景福宮(キョンボックン)の再建に乗り出しました。 外圧が強まる 景福宮は1592年に豊臣軍の攻撃を受けたときに焼失していて、以後は荒廃したままでした…
『不滅の恋人』が描く時代は、歴史背景からすると1450年代前半だ。ドラマに登場するイ・ガンは歴史的に首陽大君(スヤンデグン)のことで、イ・フィは安平大君(アンピョンデグン)に該当する。この2人は激しく対立したのだが……。 競い合う兄弟 4代王・世宗(セジョン)の長男だった文宗(ムンジョ…
最高の名君と称された4代王・世宗(セジョン)の二男の首陽大君は、幼い11歳の甥だった端宗(タンジョン)の即位を不満に思っていた。王の後見人である重臣の金宗瑞(キム・ジョンソ)らが執政の主導権を握っていたからだ。首陽大君は「弱体化した王権を奪い返す」という大義を掲げ、決起の秘密会議を開いたのだが……。…
『イ・サン』は今も大変な人気を維持している傑作時代劇だが、イ・サンこと正祖(チョンジョ)に5人の女性がからんでくる。その女性たちは、実際にはどんな人物だったのだろうか。改めて取り上げてみよう。 正祖の妻と祖母 まずは、正祖の母親について。それは、恵慶宮(ヘギョングン)である。 21代王…
写真=韓国KBS『雲が描いた月明り』公式サイトより 女帝のように王朝を支配した貞純(チョンスン)王后が1805年に世を去りましたが、代わって実権を握ったのが安東(アンドン)・金(キム)氏の一族でした。さらに、政治が混乱していきました。 勢道政治の弊害 安東・金氏の「安東」というのは、一族の流派を示す…
明聖(ミョンソン)王后は17歳のときに夫の顕宗(ヒョンジョン)の即位によって王妃となり、世継ぎとなる長男を19歳で出産した。その長男が19代王・粛宗(スクチョン)になったのは1674年で、明聖王后は32歳だった。 高官たちから抗議を受けた 意外だが、朝鮮王朝の王妃の中で明聖王后のように「世子嬪→王妃…
イ・ジュンギが主演した『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』は、王宮ラブロマンスとして絶大な人気を誇っている。2016年の作品だが、今も繰り返し多くの視聴者を獲得している。 人気の原動力 『麗<レイ>』は、過去の時代に魂がタイムスリップしてしまったヒロインが、高麗時代の8人の皇子たちとラブロマンス…