「コラム」伝統的な建築様式を楽しめる「韓屋」で過ごしたい!

日本と朝鮮半島は、春夏秋冬の四季がはっきりしていて、細長い地形により北と南の気候が異なっているところが似ている。しかし、韓国の北部は冬になるとシベリアからの寒波のため、氷点下以下になる日が多く一年を通して朝夕の気温差が激しいようだ。昔の人はどんな家に住んでいたのだろう?

 

冬はオンドルという床暖房で暖かい
韓国には伝統的な建築様式を使用した建物「韓屋(ハノク)」がある。
ソウルの中心部はかつて「漢城」と呼ばれ、14世紀末から王族や貴族が住んでいた地区が「北村(ブクチョン)」。ここに数多くの韓屋が残り600年の歴史都市の風景が見られる。
韓屋は木造で瓦屋根、中庭がある。中庭に面して「マル」と呼ばれる縁側のような高床の板の間があり、中庭とマルには日差しが降り注ぎ、心地よい風が通り抜ける。


そして、厳しい冬を越すためには「オンドル」という床暖房設備がある。
昔はかまどを炊いた時に発生する煙を床に通し温めていたが、現代はガスや電気で熱湯を床下のパイプに循環させる、温水式オンドルが普及している。
この床暖房システムのおかげで、床に布団を敷いて寝たり床の上に座って食事する生活スタイルが定着した。
家の間取りは、夏向きの部屋であるマルと冬向きの部屋であるオンドルをバランス良く組み込んだ構造になっている。

韓屋の魅力は、自然素材で作られて通気性に優れているところだ。
そして、由緒ある韓屋の古宅やソウル城郭などの史跡が点在し、歴史に触れる文化スポットの「城北洞(ソンブッドン)」は、韓国ドラマのロケ地でも有名な地域だ。


世界中の映画祭でたくさんの賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」も、城北洞の高級住宅街で撮影ロケをした。人気俳優のぺ・ヨンジュンがマイホームを購入したことでも話題になった場所である。
環境に優しく、暑さ寒さに対応して過ごしやすい韓屋。近年再び関心を集め、現代的な生活様式に合う韓屋の研究が続けられている。

文=海山 文美(みやま あゆみ)
生活エッセイスト。東京生まれ。動物の編みぐるみを中心とした編み物作家として活動しながら、ライフスタイル全般を見つめ直すエッセイストとして執筆中。生活に根付いた身近な出来事を書いています。趣味は植物鑑賞、テニス、水泳。

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コラム提供:ロコレ

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2021.09.06