もともと、ヒョンビンは甘いマスクの影響で柔らかいイメージが強かったが、兵役中に軍隊で鍛えられたことで、男の強靱さという新しい印象を付加することに成功した。除隊後は演技の面でも、逆境を乗り越える男のたくましさを存分に発揮した。
前向きな姿勢
軍隊の中で一番訓練が厳しいと言われる海兵隊で兵役を全うしたヒョンビン。彼が軍隊で感じたことは、後に続く後輩の韓流スターにも貴重なアドバイスになっている。
ヒョンビンは海兵隊に入った直後にこう語っていた。
「ファンから忘れられることは恐くありません。実際、忘れられることもあるでしょう。大事なことは、兵役中にどう過ごして、社会に戻ったときにその経験をどう生かせるか、ということでしょう。私はとって1年9カ月というのはとても貴重な時間です」
この言葉からわかるように、ヒョンビンは兵役中に人気が落ちることを恐れていなかった。それよりむしろ、軍隊の経験を俳優の仕事にどう生かせるかを考えていた。とても前向きな姿勢だ。
だからこそ、彼は兵役の1年9カ月をステップアップにふさわしい時間に変えることができたのだろう。
ヒョンビンはさらに海兵隊時代にこう語っていた。
「俳優の仕事では、身体的にも精神的にも、新しい作品に入る度に気持ちを込めて演技してきましたが、軍隊生活で生じる限界はそれともまた別のものじゃないですか。20代は作品にずっと出てきましたが、自分の人生について考えたことは、作品について考える時間より少なかったのです。30代で俳優に戻る前に、今の時点で自分を一度見つめなおし、今後の将来に向けてじっくり考えてみたい。そのようにして軍隊生活を送っていきたい
ですね」
この言葉のとおり、ヒョンビンは強い意志で兵役を全うした。
(後編に続く)
文=康 熙奉(カン ヒボン)
『愛の不時着』で軍服を脱いでソウルに行ったヒョンビンに魅せられた!
コラム提供:ロコレ