最高の落ちぶれキャラクター
『月桂樹洋服店の紳士たち』で一番愉快なキャラクターはテピョン(芸名はソンジュン/チェ・ウォニョンが扮している)だろう。
2000年に新人賞を獲得して将来を嘱望されたロック・シンガー。しかし、今は落ちぶれていて、ようやくもらったライブの舞台でも、ひどい歌で客がみんな逃げてしまう。サインをあげると言っても、誰も「ほしくない」と無視する有様。ハンパなく落ちぶれているのだが、自分ではまだスターのつもりでいて現実を認識できない。この勘違いぶりが見ていて本当に笑える。
テピョンが出てくるだけで、ドラマはシリアスモードからコミックモードにガラリと変わり、「現実が見えない落ちぶれ男」のトンマぶりを堪能できる。
いつしか視聴者は、テピョンの出番を心待ちにするようになっている。
左遷させられたドンジン。
最高の職人芸を発揮できないサムド。
人気凋落が著しいテピョン。
この落ちぶれた3人がどう巻き返していくのか。それが『月桂樹洋服店の紳士たち』のメイン・ストーリーだ。
ドンジンを演じている主役のイ・ドンゴンは、身長が185センチくらいあり、スーツが本当によく似合う。
他の男性出演陣も美形が多くて高級スーツがドンピシャリ。男のファッションを存分に楽しめるのも、『月桂樹洋服店の紳士たち』の大きな魅力だ。