【時代劇が面白い】王朝を揺るがせた大事件11「太宗の剛腕」

妻を冷遇した理由

太宗は、1382年に妻である元敬王后と結婚した。彼女は、政敵などが攻めてきたときに、いち早く知らせて夫を支えた。しかし、太宗が王として即位した途端に冷遇されてしまい、元敬王后の実家は落ちぶれてしまった。その理由は、王朝を長く存続させるために、外戚を排除したからである。
元敬王后の支えがあったからこそ、太宗は王になれたのに、彼は、妻の実家も危険な勢力の1つとして見ていたのだ。その標的となったのが、元敬王后の兄弟である。
彼女の2人の兄と2人の弟は処刑されてしまい、それを知った元敬王后はとても悲しみ、王妃になったことを悔やんだ。太宗の側近たちは、元敬王后の廃妃を望んだ。これまで妻に冷たい態度を取ってきた太宗だが、元敬王后を廃妃にはしなかった。

廃妃にならずに済んだ元敬王后は、実家を滅ぼされたことで寂しい晩年を過ごした。彼女の唯一の救いは、息子である三男の忠寧(チュンニョン)が4代王・世宗(セジョン)として即位したことだ。元敬王后は、それを見届けて1420年に世を去った。
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王朝を揺るがせた大事件1「燕山君の悪行」

王朝を揺るがせた大事件2「世祖の非道」

王朝を揺るがせた大事件3「仁粋大妃の脅迫」

王朝を揺るがせた大事件8「文宗の不覚」

王朝を揺るがせた大事件9「純元王后の悪政」

2021.01.17