「コラム」なぜヒョンビンを語ると高揚するのか5「兵役を通して学んだこと」

なぜヒョンビンを語ると高揚するのか5「兵役を通して学んだこと」

 

ヒョンビンは韓国軍で一番訓練が厳しいと言われる海兵隊に志願し、2011年3月7日に浦項(ポハン)にある海兵隊訓練所に入隊した。彼は「元気な姿で、2年後再び戻ってきます」とファンに語りかけて、訓練所に入って行った。

 

ファンに対する気持ち
訓練所に入る前のヒョンビンは、「泣かないだろうと思っていました」と心境を語っていた。しかし、そういうわけにはいかなかった。
「もともと、涙もろいほうでもないので、まさか泣くことはないだろうという気持ちでした。ところが、ファンを見た瞬間、何かが込み上げてきたんです。今まで、みなさんから愛をいただいてばかりでした。何かを少しでもお返ししなくてはならないのに、何もできずに行くのだと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました」
このように、ヒョンビンは自分のことよりファンのことを思い続けていた。そして、ファンに対する「申し訳ない」という気持ちは、結局はヒョンビン自身を大いに奮い立たせた。

さらに、彼は一緒に訓練に励む同僚についてもこう述べた。
「映画であれドラマであれ、私がこれまでやってきたことも、考えてみれば、いつでも新しい人間たちとチームを組んで、新たな何かを作り上げる作業でした。訓練所でも、やはり同じだと思います。環境や年齢も異なり、別々の関心を持った兵士たちが集まってはいるけれども、共通の目標を持っているんです。目標に向かって力を合わせ、私がこれまでやってきたように最善を尽くすならば、たとえいくらかの困難があったとしても、やっていけるだろうと思っています」(『ヒョンビン、限界に挑む。—-海兵隊入隊 ドキュメンタリーBOOK』より)

最善を尽くして訓練に励む中で、ヒョンビンは様々なことに気づいた。それは、貴重な経験になった。
「どんなことでも、自分が直接手をつけるよりも早く、誰かが先にやってくれていました。ここでは、何事も自分でやらなければなりません。掃除や洗濯、軍装を整えること、小さなことであれ大きなことであれ、全部です。それは私にとって、とても貴重な新しい経験でした。そのことで、考えも大きく変わってきました」
果たして、何が変わったというのだろうか。それは、彼が様々な恩恵を受けてきたということだった。
「たとえば、世の中には当たり前ということは、何もないのだなあと思うんです。母親が作ってくれる食事、お手伝いさんがやってくれた家事……。当然のように享受していたことが、実際にはたいへんな恩恵だったのだということです」
このように、訓練を通してヒョンビンが学んだことは本当に多かった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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コラム提供:ロコレ

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2020.12.30