【時代劇が面白い】理想の申師任堂(シンサイムダン)/美女たちの朝鮮王朝7

2009年に発行を開始した5万ウォン札の肖像画になっているのが「国民の母」と慕われる申師任堂(シンサイムダン)だ。彼女は韓国の紙幣に登場した最初の女性であり、5千ウォン札の肖像となっている学者の李珥(イ・イ)の母親でもある。母子で紙幣の肖像画になることは、世界でもとても珍しい。また、申師任堂はイ・ヨンエ主演の『師任堂(サイムダン) 色の日記』の主人公のモデルとなっている。

才能があふれる少女

1504年、申師任堂は5人姉妹の二女として生まれた。幼い頃から優れた感性を持っていた彼女は、7歳になると絵を好んで描くようになった。
申師任堂の描く絵を見た祖母は、彼女の才能に驚き、当時では高価だった紙を買い与え、積極的に成長を見守っていった。
そのかいもあり、申師任堂はその才能をメキメキと伸ばした。そんな彼女の絵の素晴らしさには一つの逸話がある。申師任堂が紙にイナゴの絵を描いて乾かしていると、それを本物と勘違いした鶏が、絵の中のイナゴを食べようとしたのだ。
それほどまでに、彼女の絵画の才能は優れていた。

また、優れた感性と知性を持つ彼女は、絵画だけではなく、幼い頃から儒教の経典や有名な詩人たちの詩集を好んで読み、素晴らしい詩をいくつも世に残した。
代表的な作品が「母を慕って」という詩で、これには親に対する申師任堂の上品な孝行心が込められている。
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2020.11.13