12月20日(土)、ホテルオークラ東京にて俳優としてもアーティストとしても絶大な人気を誇るノ・ミヌが「NO MIN WOO デビュー10周年パーティー」を開催した。
ノ・ミヌは2004年、X JAPANのYOSHIKIプロデュースによるバンド「TRAX」でデビュー。2006年にバンドが解散したあとは、「パスタ」「フルハウスTake2」など数々の人気ドラマに出演し、俳優として着実に実績を残してきた。今年8月、歌手”ICON”という別名でライブを行うなど、最近では俳優業だけではなく歌手活動にも力を入れている。そんなノ・ミヌの芸能活動が今年、節目の10年を迎えた。
その記念日を祝おうと集まったファンは昼夜合わせて約400名。クリスマスシーズンということもあり、パーティー会場となった「平安の間」は、ドレスアップしたファンであふれかえっていた。ファンからの「10周年、おめでとう」の大合唱とともにイベントはスタート。
「こんにちは!ノ・ミヌです」
パーティーらしく、黒のタキシードに身を包んだノ・ミヌがステージに登場すると、「かっこいい」「かわいい」と会場のあちこちからファンの歓声が上がった。韓国で撮影中のドラマ「私の残念な彼氏」の役作りのために変えたという新しいヘアスタイルに、ファンから「かわいい」と声がかかると「かわいい?キヨミ?(韓国語でかわいいの意味)評判いいね」と無邪気な笑顔を見せた。「実は(この髪型でいいのか)悩んだけど、患者(ノ・ミヌのファンの愛称)が似合っていると言ってくれてよかったです。がんばって撮影するからね」と愛嬌を見せ、登場するやいなやファンの心をがっちりと掴んだ。
生バンドの演奏による最初の曲「HELLO HELLO」を歌い終えたあと、真剣な表情で語り始める。
「10周年になっちゃいましたよ。でも心も、目標も、デビューした18歳のときと変わっていません」
飾らない率直な感想に、ファンからは温かい拍手が沸き起こった。そして、ドラマ「最高の結婚」の挿入歌でノ・ミヌ自らが手がけた「Crazy Love」を熱唱した。
会場が最高潮に達したところで、MCに星野卓也が登場し、ファンとともに楽しむゲームコーナーへ。
最初のゲーム、ビンゴ大会ではステージから降りて、ファンの待つテーブルに大接近。移動するときも、一人一人と目を合わせ、優しいほほえみで手を振り返すノ・ミヌ。目の前でビンゴゲームの番号を読み上げる姿に会場からは悲鳴にも近い歓声が起こり、「もっとこっちにも来て」というリクエストにも気軽に答え、会場内を練り歩いた。この気さくさも彼の人気の秘密だ。
そして歌を挟んで、二つめのゲームへ。「今日は私がミヌのヒロイン」と題したゲームは、ノ・ミヌの代表作の名場面をファンがいっしょに演じようという企画。抽選で選ばれた3名が順番にステージに上がった。
まずは「フルハウスTake2」から、ハイキックを披露しようとして倒れそうになったマノク(ファン・ジョンウム)を抱きとめるシーン。日本語に書き換えられたセリフを照れくさそうに読み上げる。
そして2人目のファンと再現するのはやはり「フルハウスTake2」のシーン。マノクとノ・ミヌ演じるテイクが急接近する重要な場面。背中合わせに座り「手を出してみて」というテイクに対し、マノクが手を出すと、その手をさっと恋人つなぎで握り返すファン憧れのシーンだ。その熱演ぶりに会場からは悲鳴にも似た歓声が起こった。
最後の一人は中国ドラマ「愛の有効期限」のワンシーンを再現。セリフを言ったあと正面から抱き寄せるシーンだが、ファンを相手に楽しそうに演技するノ・ミヌの姿に、相手役に選ばれた女性たちは「うれしいです」「もういつ死んでもいい」などと頬を赤らめた。
歌、ゲームはもちろんだが、たっぷりと時間を取られたトークタイムにノ・ミヌのファンへの誠実な思いがたくさん込められているパーティーだった。
「日本でライブをすればするほど『この患者、知ってる!』と顔を覚えている患者が増えて、今日も『この間、この人は来ていなかったな』とか、さっきも会場を歩きながら全員の顔を確認したよ。こうして覚えた皆さんの顔は、この10年間でいちばん大切な僕の記憶です。考えてみれば、この10年、夢や目標が変わっていない理由は患者がいてくれたから…。だから今回、『感謝』という名前のパーティーにしたかったんです」
ときどき会場からツッコミや合いの手の入る笑顔の絶えないトークタイム。そうかと思えば一転、客席の照明が落ち、スポットライトが当たるロマンチックなムードの中、しっとりとバラードを歌い上げる。クールでかっこいいノ・ミヌ、やんちゃな弟のようなノ・ミヌ、楽しくて居心地の良い恋人のようなノ・ミヌと、様々な顔を見せてくれた盛りだくさんの内容。全7曲、ゲームあり、トークありの2時間半は、ファンにとってはあっという間だったに違いない。
ピアノの伴奏が印象的なバラード「HEVEN」を歌い終え、最後のあいさつに入る前、ノ・ミヌは「んー」と二度、つぶやいたあと、しばらく言葉を失った。そしてこう続けた。
「10年前、デビューしたときに『歌、演技、両方の夢を叶えたい』と言うと、芸能界の先輩から『それはできない』と言われました。韓国にはそういう存在がいないから、と…。もし、あのときにあきらめていたら、こうして歌ったり、OSTを作ったりする今の僕はいなかったでしょう。自分を信じてここまで来ました。こうやって自分の作ったメロディーを皆さんに披露できるのがとても幸せです。そして、皆さんに自慢したかった!僕、頑張りましたよね?」
屈託のない笑顔でファンに問いかけるノ・ミヌ。そのきらびやかな容姿からは想像しがたいが、俳優と歌手、二つの分野で努力を重ねてきた苦労人の一面と、その夢をこれからも追い続けたいという強い意志が垣間見えた瞬間だった。
「これまでは『つらくてもあきらめない』『もっと先へ行く』という歌詞の歌が多かったですね。それが、ここまで10年間の僕の生き方。これからは皆さんへの感謝をテーマにした曲をたくさん作りたいです」
そんなノ・ミヌはラスト曲で自らのピアノ伴奏で言葉にできない思いを伝え、その歌声に涙を流すファンの姿も。
そして、最後は来場者一人一人をハグで見送り、パーティーは終了した。
ノ・ミヌから「患者(ファン)への「感謝」と愛をたっぷり感じられた一日だった。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
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