「コラム」韓国のテレビ局はどんな経緯で3大地上波になったのか

KBSが恵まれていることは?
露骨だったのは、各テレビ局が当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領の動向をニュースのトップでかならず放送するように強制されたことです。
国民はこぞって、ニュースの最初がいつも「今日の全斗煥大統領は……」で始まることを冷やかに見ていました。
そんな言論統制に風穴を開けたのが、1987年に達成された“民主化”です。軍事政権に反対する国民の熱意が実り、韓国は劇的に社会構造を転換させます。それによって1990年に放送法が改正されて、民間放送の開局が可能となり、同年に完全な民間放送局としてSBSが生まれました。
以後、公共放送のKBS、半官半民のMBC、民間のSBSという3大テレビ局体制となって今に至っています。
なお、現在のKBSには“KBS1”と“KBS2”がありますが、これはかつてTBCを吸収したことが影響しています。公共放送でありながら“KBS2”でCM放送が行なわれているというのも、民間放送を吸収した名残といえるでしょう。


しかも、KBSの受信料は電気料金と一緒に徴収されるシステムになっています。だからこそ、100%近い徴収率を確保できているのです。日本のNHKも、この点ではKBSがうらやましいでしょう。

文=康 熙奉(カン ヒボン)
提供:ロコレhttp://syukakusha.com/

 

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2020.04.30