自白を強いる拷問
事情を知る人たちは違う見方をしていた。
「趙氏の捏造に違いない」
そう思うには根拠があった。趙氏は姜氏を極端に嫌っていて、罠に掛ける可能性が高かったからだ。
宮中でそんな噂が広まっているというのに、趙氏の命令で姜氏に仕えていた女官が捕らえられて拷問を受けた。
この拷問はあまりに苛酷すぎた。
女官は耐えることができず、偽りの自白を強いられた。
「毒殺を指図したのは姜氏です」
ここまでは趙氏の思うとおりになった。
すると、趙氏の後ろ楯になっていた仁祖は、1646年2月3日に王命を発した。
「彼女の罪は明白である。余を毒殺しようとはかる者とは、1日といえども生を共にしたくない」
仁祖は姜氏を強く非難して死罪を宣告した。
しかし、それが茶番であることは高官たちが見抜いていた。
(ページ3に続く)
仁祖(インジョ)は復讐の鬼となって光海君(クァンヘグン)を狙った!
『華政』は光海君(クァンヘグン)と仁祖(インジョ)を好対照に描いた!
昭顕世子(ソヒョンセジャ)の一家は仁祖(インジョ)につぶされた!