【時代劇が面白い】李成桂(イ・ソンゲ)はこうして初代王の太祖(テジョ)になった

天下を一変させた
高麗軍は国境沿いの鴨緑江(アムノッカン)を渡ろうとした。
しかし、鴨緑江の中州だった威化島(ウィファド)までやってきてからは、先に進めなくなった。
川が増水して、自分たちの身も危険だった。
李成桂は、王に兵を引き返す許可を求めるが、一度下された命令が覆ることはなかった。李成桂は憤りを隠せなかった。
「これ以上先には進めない。しかし、王命に逆らえば逆賊になってしまう」
李成桂は思案を繰り返した。
その末に決断した。威化島から全軍を引き返す決意を固めたのだ。
これを「威化島回軍」という。
逆賊になってしまった李成桂。彼は覚悟を決めて、高麗の都だった開京(ケギョン)を攻めた。退路のない李成桂が愚鈍な王を追放しようとしたのだ。


その結果、李成桂は完全に勝利して、王をしのぐ最高実力者になった。
4年後、李成桂は高麗を滅ぼして朝鮮王朝を建国し、初代王の太祖(テジョ)となった。
彼はもともと王になるつもりはなかった。しかし、「威化島回軍」によってすべてが変わったのだ。
朝鮮半島の歴史上でも、「威化島回軍」は天下を一変させる大転換期になった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)
提供:チャレソ
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2020.03.19