韓国で5年ぶりに9thアルバム「CONTINUUM」を引っさげ、復活を果たし、リード曲「You You You」が各種主要音楽チャートや地上波音楽番組で1位を獲得。全国ツアーも大盛況のうちに終え、健在ぶりをアピールしたFly to the Skyが11月23日(日)、東京・品川ステラボールにて、復活後、日本で初となるファンミーティング「2014 Fly to the Sky 1st Fanmeeting~REVIVAL~」を開催した。
Fly to the Sky は1999年にSMエンタテインメント(以下、SM)からデビュー。ブライアンのソフトで透き通る甘い歌声と、ファニの太くて豊かな力強い歌声が見事なハーモニーを奏で、韓国のトップR&Bデュオとして、第一線で活躍。2009年からはソロ活動に専念し、それぞれの道でさらに磨きをかけ、今年5年ぶりに再結成した。 それだけに、この日のファンミーティングでも、デビュー15周年の貫録を見せつけ、歌もトークも“これぞ大人のエンターテインメント”という極上のステージで、ファンを魅了した。
Fly to the Skyとしての日本でのファンミーティングは、2009年5月以来、実に5年半ぶり。2人揃って、日本のステージに立つ日をファンはどれだけ待ちわびていたことか。会場は、開演の瞬間を待つファンの熱気に包まれていた。 そんな中、オープニング映像が流れた後、黒系のスーツ姿のファニ、ゴールドのアクセサリーをポイントにしたカジュアルな姿のブライアンが登場し、ドラマ「ファッション 70’s」の挿入歌「胸が痛くても」のイントロが鳴ると、会場はあふれんばかりの大歓声。1曲目から、2人の圧倒的な歌唱力は鳥肌モノで、グイグイ引き込まれる。ファンの「キャー」という絶叫と拍手が鳴り響く中、次もファンの間で大人気のR&Bバラード「Missing You」。ブルーのペンライトがゆっくり揺れる会場に、2人の熱い歌声が響き渡り、ファンの胸の奥を熱くさせた。
「アンニョンハセヨ。Fly to the Sky です。皆さんお久しぶりです。お元気でしたか?」と1階席だけでなく、2階席までぎっしり埋まった客席をうれしそうに見渡した2人。ブライアンは「久しぶりなので僕たち2人とも緊張していますが、たくさんの方に来ていただいたので、楽しい時間になると信じています」、ファニは日本語で「今日は最後まで僕たちと一緒に楽しい時間を過ごしてください」とあいさつし、次の曲へ。
「CONTINUUM」の収録曲で、「Missing You」の作曲家パク・チャンヒョンが手掛けた「君の声」。別れた恋人に偶然会い、忘れていたその人との恋を思い出し、胸を痛めるという切ない歌詞を2人は感情豊かに表現。息の合ったハーモニーで、観客の目と耳を惹きつけて離さない、心を震わす熱唱のステージを繰り広げた。
ここからは、司会の田代親世が登場し、たっぷりとトークコーナーへ。「15周年3つの瞬間」と題し、今年デビュー15周年となるFly to the Sky がこれまでの思い出を振り返った。 最初のテーマは「うれしかった瞬間ベスト3」。第3位は、「ファニのオーディション映像を見て感銘を受けたブライアン。事務所から一緒にチームを組むことになったと聞いたとき」。ブライアンがSMと契約する前、ファニ、チャン・ナラ、BoAの3人のオーディション映像を見たが、中でも、Bボーイだったファニを見て、絶対この人と組みたいと思ったとか。一方、ファニはブライアンの第一印象を「頭にバンダナを巻いて、ブカブカのズボンを履いていたので、チャラい人だと思いましたが、真面目に頑張る人だったので、一緒に組むと聞いて、まあまあうれしかった(笑)」と正直に答え、「すぐに親しくなるのは難しいと思いました。ビックリするたびに、それを英語で表現する人を見るのは初めてだったので」と話すと、ブラインアンは「僕はかわいいので(笑)」と見事なトークセンスで返し、会場を笑いに包んだ。
続いて第2位は「SMと専属契約を結んだとき」。当時はH.O.T、SHINWHAらが所属する大きな事務所だったので、契約できて幸せだったとか。特に、ブライアンはH.O.Tのチャン・ウヒョク、ムン・ヒジュンが好きで、彼らのスタイルをマネしていたとのこと。第1位は「2000年、SBS歌謡大賞で新人賞を受賞したとき」。当時の懐かしい映像が流れ、2人とも若かりし頃の姿を気恥ずかしそうに見ていた。 次のテーマは「最も大変だった瞬間ベスト3」。第3位は「結婚について質問されるとき」。親から聞かれるというブライアンは「心から愛する人が現れるまでは結婚を急ぎたくない」と答えているとか。ファニも「まだ結婚する気はない」とし、「もし2人とも結婚のタイミングを逃して結婚できなかったら、2人で暮らします(笑)」との爆弾発言(!?)に客席からは悲鳴が上がった。第2位は「SMの契約が終了したとき」。独立への不安もあったが、契約更新しないことをSMに伝えところ、気持ち良く見送ってくれ、今でも良い関係だという。第1位は「5年間の活動休止期間」。それぞれやりたい音楽を見せるため、ソロ活動を始めたのに、“仲が悪いのでは?”といううわさが広がったので、それが精神的につらかったと打ち明けた。
最後のテーマは「最も感動した瞬間ベスト3」。第3位は「日本のファンが相変わらず応援してくれるとき」。5年のブランク中も、SNSなどを通じて、ファンがメッセージをくれたことが大きな力になったそう。第2位は「ファンの皆さんが僕たちを忘れることなくずっと声援を送ってくれるとき」。自分たちの魅力について、ファニは「飾らない、正直なところ。ベストを尽くして歌っている姿」と分析し、ブライアンは「何より昔の曲も今の曲も、僕たちの曲は全ていいことです!」と自信たっぷりに答えた。第1位は「カムバックでいただいた、たくさんの愛情。配信チャート&音楽番組1位、ライブツアー大成功」。ファニは「これからも良い音楽を届けますので、ずっと応援してください!」と力強く宣言し、客席も温かい拍手でそれに応えた。
次のコーナーは、「スケッチブックインタビュー」と題し、質問の答えを2人がそれぞれ、スケッチブックに書いて発表するというもの。第1問「Fly to the Skyの曲の中で最も愛着を感じる曲は?」に対し、ブライアンは「男らしく」、ファニは「Missing You」。第2問「1999年と2014年、15年を経て自分の中で一番変わったことは?」では、ファニは「ファンの皆さんからいっぱい愛を受けて、笑顔がキレイになった」、ブライアンは「今はマッスルマン」と答え、「昔と体重は変わらないけれど、当時は筋肉がなく、全て体脂肪でした(笑)」と話すブライアンに、ファニは「ブライアンはもうじきスポーツ選手になると思います(笑)」と冗談を飛ばした。
第3問「恋に落ちるならどんな人と?」に対し、ブライアンは「いつも笑顔でお互いを慰め合える人」、ファニは「家庭的な人、家事が必ずできる人」と答え、第4問「これから新しくチャレンジしたいことは何?」では、ブライアンは「運動場の社長、ファンと一緒にスポーツ」、ファニは「音楽賞で大賞、東京ドームコンサート」と答えた。そして、第5問「今、この瞬間、日本のファンに伝えたことは?」には、ブライアンは「愛してくださって本当に感動しています。日本のファンの皆さん、最高!」、ファニは「いなくてはならない家族のような存在だから、いつもそこにいてくださるなら、日本にたくさん来るようにします。愛してます」とファンに感謝した。
ファンの前だからこそ、たっぷりと貴重な話を赤裸々に率直に語ってくれたブライアンとファニ。続いては、再び歌のステージで感動を。「CONTINUUM」の収録曲で、Fly to the Skyらしい切ないバラード「電話しないで」を届け、2人の歌声をじっくりと聴かせた後は、雰囲気をガラリと変え、後半は韓国でのコンサートツアーで披露したダンサンブルな曲が続く。
「夜の端を掴んで」「習慣」と続くメドレーでは、ジャケットを脱いだファニとブライアンがダンサーを従え、甘い歌声と共にキレのあるダンスを披露。「夜の端を掴んで」では、ブライアンの温かく優しく語りかけるような歌声、途中のファニのナレーションもステキで、客席からは黄色い悲鳴が。「習慣」ではファニの雄叫びも健在! そしてセクシーダンスにファンもクラクラ。
会場の熱気も一気に上がり、「Let’s get it on」からはファンが総立ちに。ファニのアクロバティックなダンスに大歓声が上がり、続く「What U want」でも2人のパワフルで激しいダンス、ブライアンのラップで、会場のボルテージは最高潮となった。 「暑いですね~」としたたる汗を拭った2人は、観客を席に座らせた後、「まだ歌っていない曲がある」とし、音源サイトで1位を総なめにし、この曲のおかげで新しいファンも増えたという、壮大かつ感性的なサウンドが際立つR&B曲「You You You」を披露。全身で曲を表現する姿にまばたきを忘れるぐらい圧倒され、2人のパワフルで繊細なボーカルが心にじんわりと染み渡った。
ブライアンは「日本のファンの皆さんにずっと会いたいと思っていたので、今日は本当に楽しかったです」と全力を出し切った清々しい表情を浮かべ、ファニは「次はぜひコンサートで僕たちの曲や、日本の有名な曲なども歌いたいと思います」とファンに約束。ブライアンは「次の公演では、1人当たり10人連れてきてくださいね」と茶目っ気たっぷりに話し、さらに今後の予定として、12月23日から25日までソウル市内の慶煕大学平和の殿堂で開催するGUMMYとのジョイントコンサート、11月29日の米国コンサートなどに加え、来年もいろいろ準備していることを伝えた。
個人的には、ブライアンが花屋を経営していること、ファニが来月バーをオープンすることを明かすと、「ファニのバーがオープンするときは、ぜひうちで花を注文してください(笑)」としっかりPRし、抜け目のないブライアン。会場は爆笑となったが、最後にファニが「いつか大きな会場で、素晴らしい歌を届けますので、ぜひ期待してください」というあいさつで締めくくり、その横でブライアンも親指を立ててグッドのポーズをしながら微笑んだ。 最後の曲は、やはり全員で盛り上がれる「Sea of Love」。スタンディングとなった客席に、ファニが「楽しかったら大きな声で叫んで!」とあおり、ファンの絶叫がこだまする中、大興奮のうちに幕を閉じた。
その後、ステージにてファン一人ひとりとハイタッチ会を行い、最後までファンとの触れ合いを楽しんだFly to the Sky。5年ぶりに活動をリスタートさせた2人は、会場を幻想的な雰囲気に包み込む、圧巻の歌唱力に加え、ダンスまで披露。以前にも増して深みを増したパフォーマンスで、ファンを心ゆくまで満喫させた。 5年のブランクを経て、お互いの絆がより強固なものになり、「永遠に一緒に活動していく」と話す2人の今後の活躍がますます楽しみだ。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
写真提供:©irving