「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.89「自隊配置が増えてきた」

最前線の師団は山岳地帯に駐屯している(写真=韓国陸軍公式サイト)

FTISLANDのイ・ホンギは2019年9月30日に兵役をスタートさせる。入隊するのは白頭山部隊(第21師団)の新兵教育隊である。これでイ・ホンギは、自隊配置を受けて新兵訓練が終わったあとも白頭山部隊に所属する可能性が高くなった。

傾向が変わってきた

自隊配置とは何だろうか。
これは最前線の師団で新兵教育を受けた場合に多い事例だ。
つまり、新兵教育を行なった師団に兵役の最後まで所属することを「自隊配置」と言うのである。
陸軍の現役兵として兵役に入った場合、韓国中部の論山(ノンサン)にある陸軍訓練所に入所して新兵訓練を行なうケースが最も多い。
ただし、陸軍訓練所は新兵教育の専門施設なので、ここで5週間の新兵訓練を行なったあとは、かならず他の師団に移る必要があった。
一方、新兵教育の施設を持っている師団もあり、そこに直接入隊する人もいる。そういう人は自隊配置によって新兵訓練後も同じ師団に所属することが非常に多い。
元来、芸能人が入隊するときは論山の陸軍訓練所に入るケースが過去には多かったのだが、2年ほど前から最前線の師団が持つ新兵教育隊に入っていく芸能人が増えるようになった。
その事例は、BIGBANGの3人のメンバーが最前線の師団で兵役をスタートさせたあたりから顕著になってきた。

山岳地帯に向いた訓練

最前線の師団というのは、韓国の北端に駐屯している。
地形的には山岳地帯が多く、冬がとても寒い。
それでも、軍事境界線を防衛するという重要な任務があり、兵士は激戦に耐える精神力を要求される。
また、起伏が多い地形ということで、遊撃訓練で体力を著しく消耗する。
この遊撃訓練というのは、山野を駆け回って敵に近づいて攻撃を加える訓練のことだ。無理な体勢で障害物を乗り越えながら前進しなければならず、身体を傷めることがかなり多い。
このように、最前線の師団に所属すると、精神的にも肉体的にも負担が大きい。それを見越して、新兵を最初から慣らせるために最前線の師団で教育するのだ。
そのほうが、新兵の段階から山岳地帯に向いた訓練をすることができる。
今後はイ・ホンギも入隊後に厳しい新兵訓練を受けることになる。ケガに気をつけて、無事に乗り切ってほしい。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2019.09.21