「コラム」人間の生死をどう描いたか/「トッケビ」セレクト3

生死を乗り越えた世界

コン・ユは『トッケビ』に主演して権威ある百想芸術大賞を受けたとき、「重くて大きい賞は、弱い私に対して、しっかりせよ、もう躊躇しないでさまような、と言っているかのようです」とスピーチした。
この言葉を聞いて、コン・ユは容易には『トッケビ』の描く世界から抜け出せないと感じた。
いや、逆に言えば、簡単に抜け出してはいけないのだ。
『トッケビ』が描く死生観は人間の根源を問うものであった。コン・ユも、キム・ゴウンも、イ・ドンウクも、3人はまぎれもなく生死を乗り越えた世界の住民だった。
そこに生きた感覚は、3人が俳優を続けていくかぎり去っていかないだろう。
そして、『トッケビ』を見た人もまた、ドラマの世界を共有しながら人間の生死を乗り越えようとしていた。

そういう世界観を示してくれたという意味で、『トッケビ』ほど長く余韻を残してくれたドラマも他になかった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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2019.09.08