『テバク~運命の瞬間(とき)~』はBS日テレで2019年8月5日から放送が始まった。ドラマは歴史の事実に基づいて物語が構成されている。その背景がわからないと、ドラマを理解できない部分もたくさん出てくる。そこで、『テバク』をもっと楽しむために、ワンポイントで歴史を解説していこう。
淑嬪・崔氏と張禧嬪
〔ポイント1〕時代はいつ?
『テバク』の物語は、朝鮮王朝19代王・粛宗(スクチョン)の統治時代から始まっている。第1話で淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏が粛宗に見初められるが、歴史的にそれは1690年前後と想定される。
さらに、『テバク』の全話が描く時代は、1690年前後から1728年までである。40年近くにわたる壮大なストーリーなのである。
〔ポイント2〕淑嬪・崔氏は誰?
物語の序盤で重要な役割を演じる淑嬪・崔氏。彼女は、ドラマ『トンイ』の主人公になった女性だ。そして、21代王・英祖(ヨンジョ)の実母である。王宮で水汲みや洗濯などの下働きをする女性として宮中に入ったと言われているが、歴史的にその事実は確認されていない。
生まれたのは1670年とされているのだが、何かと謎が多い女性である。
〔ポイント3〕淑嬪・崔氏のライバルは?
淑嬪・崔氏と敵対するのは、悪女として有名な張禧嬪(チャン・ヒビン)。1688年に粛宗の長男を産んでおり、1689年には側室から王妃に昇格している。『テバク』では張禧嬪が淑嬪・崔氏を徹底的にいじめるが、それは他のドラマと描き方が同じ。ただし、政治的には淑嬪・崔氏のほうが裏でいろいろな工作をしていたと推定される。本当の悪女は淑嬪・崔氏だったかもしれない。
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