最も成長が著しい時期
『コーヒープリンス1号店』からほぼ10年。コン・ユが満を持して主演したドラマが『トッケビ』だった。
俳優にとって、10年というのは自分を大いに変貌させるのに十分すぎる歳月だろう。ましてや、コン・ユは20代後半から30代後半になった。男の人生にとって、最も成長が著しい時期を経てきたのだ。
そんなコン・ユの演技も必然的に変化した。特に、900年以上も生きてきたというキム・シンの宿命を表現するときの彼の演技は真に迫っていた。
ただし、『コーヒープリンス1号店』と『トッケビ』を比べると、相手役がユン・ウネからキム・ゴウンに変わっているが、2人の女優が持つイメージには共通点がある。ボーイッシュでエキゾチックで芸達者ということだ。
そういうタイプの女優と共演するとき、コン・ユは深刻ぶらずに自分をありのままに出して演技していた。
コン・ユは、演技について必要以上に考えすぎてしまうところがあるが、ユン・ウネにしてもキム・ゴウンにしても、共演の女優がかなりコン・ユをリラックスさせてくれたかもしれない。
たとえば『トッケビ』で言うと、コン・ユが扮するキム・シンが、キム・ゴウンが演じるウンタクと言い争う場面がとても面白かった。
実際、シリアスとユーモラスを絶妙な間合いで演じ分けるコン・ユの真骨頂が、キム・ゴウンとの会話場面で発揮されていた。かつて『コーヒープリンス1号店』でユン・ウネと見事な掛け合いをしていたときのように……。
俳優としての「芯」は変わっていない。
しかし、「表現」は自由自在になって見る人を大いに楽しませてくれる。
10年の歳月を経て、コン・ユはさらに味わい深い俳優となった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:韓流テスギ
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コン・ユ&キム・ゴウンの主役カップルに拍手!/トッケビ全集6