旧暦が通用する社会
電車の運行が時間に正確なのはありがたいのだが、東武鉄道に乗っていたら、わずか2分遅れただけなのに、車内放送で「本日は電車が遅れて乗客のみなさまにご迷惑をおかけしました。心からお詫びいたします」とアナウンスしている。
こんな国は他にないはずだ。
ひるがえって韓国。日本から一番近い隣国なのだが、時間に関する概念は、かつては確かに違った。
大陸的というか、おおらかというか、「まあ、そうアクセクしなさんな」という雰囲気が漂っていた
これは今でも旧暦をよく使っているからではないのか。
実際、旧暦は農耕社会には便利な暦である。
それなのに、日本は明治維新後に新暦に変えて、現実の季節感と暦にギャップが出るようになった。
韓国は今でも旧暦がよく使われる。正月は「旧正月」であり、お盆も「旧盆」である。この「旧盆」のことを韓国では「秋夕(チュソク)」と言い、旧暦の8月15日が該当する。新暦だと9月下旬頃になる。
つまり、日本と違って韓国では、正月と盆が1カ月以上も遅れてやってくるのである。これこそが究極のコリアンタイムではないか。
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