「コラム」深遠な世界に生きるコン・ユこそが「トッケビ」そのものでは?

トッケビの1人
忘れられない言葉がある。
2017年5月に行なわれた百想芸術大賞の授賞式でコン・ユが『トッケビ』によってテレビ部門・男性最優秀演技賞に輝いたとき、彼はこう述べている。
「私はどこにいて、誰であって、今どこに行こうとしているのか……」
それは道に迷ったかのような発言で、晴れの舞台に似合わない受賞コメントだった。
しかし、その言葉の中に「ありのままのコン・ユ」が見え隠れしていた。
トッケビとは何か。


それが、時空を越えて深遠な世界を行ったり来たりする魂だとすれば、コン・ユもまた、芸能の世界で苦しみながらも自分の存在に永遠の魂を注ぎこもうとするトッケビに思えてくる。
しかもまた、このトッケビは未だ自分の正体をつかめないでいる。
それでいい。
迷いながらも、コン・ユは今後も作品を通して自分が「トッケビの1人」であることを見せてくれるに違いない。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

コラム提供:ロコレ
http://syukakusha.com/

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。

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2019.03.30