「コラム」芸能人が兵役で入ることが多い「義務警察の広報団」とは何か

広報団は啓蒙活動のためのステージが特に多い(写真=釜山地方警察庁の公式サイトより)

 

芸能の才能を生かせるという意味で、義務警察の広報団は芸能人にとって兵役履行にふさわしい組織になっている。その義務警察の広報団に入った場合、果たしてどんな活動をするのだろうか。

 

義務警察での活動

現役兵の対象者が選抜試験に合格すると、義務警察で兵役の代替服務を行なうことができる。
その際、芸能人の多くが入るのが広報団だ。
ただし、義務警察に行くにしても、兵役入りした人は最初に4週間の新兵訓練を受ける必要がある。
その4週間で軍人としての規律と専門技術を習得し、終了すると、今度は警察が管轄するセンターで、専門の教育を受ける。
なお、この教育センターは全国に10カ所ある。

各地のセンターでは3週間の新人教育プログラムが作られている。それに沿って、各人は「警察で働くための心構え」「規則正しい生活のための管理意識」「装備の点検と使い方」「交通勤務訓練」「デモ隊への対処」「交番勤務訓練」「救急法の習得」などを身につけていく。

新人教育が終わると、いよいよ各地の警察庁に配属される。
一般の義務警察隊員であれば、交番勤務、交通整理、デモ隊への対応、重要施設の治安維持などが主な任務になる。
しかし、広報団はまったく違う。あくまでも行事を通して警察の広報や啓蒙活動を行なうことが目的になっている。

 

学校でキャンペーンを行なう

各地の地方警察庁にそれぞれ広報団があるが、構成は地方警察庁によって違う。共通しているのは、広報団のトップとなる警察官1名のもとに、10数人の隊員が所属するということだ。
首都のソウル地方警察庁の場合は、広報団も18名で構成されるが、他の地方警察庁では人数がそれよりも少なくなっている。
いずれにしても、定員が決まっているので、欠員が生じないと新たに加入することはできない。

それでは、広報団の活動を見てみよう。
一番多いのは、小学校から高校までの学校をまわってイジメや校内暴力の防止キャンペーンを行なうことだ。
その際には、バンドを組んで音楽を披露したり、ぬいぐるみに入って子供たちを楽しませたりする。そのあたりのエンターティナーぶりは、K-POPのスターならばお手のものだろう。
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