冠婚葬祭の簡素化
かつて済州島(チェジュド)で祖父の祭祀に出たことがある。
日本以上に盛大にやっているのかと思ったら、意外と質素だった。集まる親族も少なかった。「なるほど」と納得がいった。
韓国では1970年代から当時の朴正熙(パク・チョンヒ)政権の肝入りで、冠婚葬祭の簡素化が推進されてきた。
結婚式にしろ葬式にしろ、借金をしてまで大げさに行なうことが多かった韓国。それがいかに家計を苦しめる原因になっていたか。
特に、先祖を供養する祭祀の数は非常に多く、しかも身分不相応なくらいに費用をかけすぎる家が多かった。
その結果、「農村の近代化をはかるためにも、冠婚葬祭の簡素化が必須」というのが1970年代以降のお題目になった。
しかし、在日コリアンの家庭にまで、その声は届かなかった。
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