兵役といえども配慮が必要
――新兵訓練は大変厳しいと聞きますが……。
「肉体的にも精神的にも負担が大きいです。最近の風潮としては、兵役とはいえ、精神的な問題を抱えている人には細かい配慮が必要だということになっています。特に新兵訓練は、全員が雑魚寝(ざこね)のような形で狭いスペースで寝泊まりします。個室で育ってきた若者たちにとっては大変な苦痛であり、精神的な問題を抱えている人が狭い部屋での集団的な共同生活に耐えられないケースもあります」
――そういう点を配慮しているわけですね。
「今やかつてのように、みんなをいっぺんに大部屋に押し込んで集団生活を強制するという時代でもなくなってきました。徴兵検査で4級の人は補充役として戦時には軍に編入されて軍務に就きます。そのために4週間の新兵訓練が課されているわけですが、全員を一律に扱う必要はないでしょう。やはり、双極性障害を理由として4級になったチャン・グンソクの場合は、陸軍訓練所より社会服務研修センターに行ったほうがよかったと思います。その点では、納得できる対応だと言えます」(ページ3に続く)