「コラム」連載「康煕奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流」Vol.10「兵役期間の3カ月短縮がほぼ確定!」

兵役入りして訓練に明け暮れる新兵たち(写真=韓国陸軍公式サイトより)

現在の韓国の兵役期間は、陸軍で21カ月となっている。これが3カ月減って18カ月になるという兵役短縮問題が現実味を帯びてきた。これから兵役を迎える人にとっても朗報になりそうだ。

大統領選挙の公約

昨年5月の大統領選挙で、文在寅(ムン・ジェイン)氏が当選したときに、彼は公約の1つとして兵役期間の短縮を挙げていた。
それは、「陸軍で21カ月となっている兵役を18カ月に短縮する」という公約だった。この公約が、いよいよ実現の運びとなりそうだ。
国防省は公式的に兵役期間短縮の具体的な実施時期について、「4月中に確定する予定」と発表している。
さらに、国防省は次のように説明している。
「国防研究院の調査によると、兵役期間を3カ月短縮することによって、国の生産力が5兆ウォン(5千億円)から9兆ウォン(9千億円)くらいまでアップすることが見込める。これは、韓国の経済成長に大きく寄与するものだ」
このように国防省では、兵役期間短縮を肯定的に捉えている。
そもそも、現在の韓国軍は兵力が余っている状態だ。なぜならば、最近の戦闘では、歩兵をたくさん集めて陸地戦に持ち込むというより、ハイテクな武器で相手をピンポイントで攻撃するように戦術が変わっているからだ。

待望の「3カ月」

戦術の変化によって、62万人の韓国軍を2022年まで50万人に減らす計画を国防省はたてている。そういう兵員削減の方向性に兵役期間の短縮は合っているのだ。
加えて、文在寅大統領が選挙公約に掲げたことで、さらに実現が加速した。この公約は、経済的負担がなくても実現できるものであり、国民にとっても大いに歓迎すべきことだ。それゆえに反対が少ない。
ただ、北朝鮮の挑発が増えて「兵役期間の短縮が時期的にふさわしくない」という意見もあったのだが、国防省は最新兵器の増強や兵士訓練の効率化によって十分に可能だという認識を示した。
兵役期間が21カ月から18カ月に減る……わずか3カ月とはいえ、この違いはとても大きい。実際に入隊する人や除隊を待つ家族・友人にとっても、まさに待望の「3カ月」なのである。
その気持ちは、あこがれのスターが兵役入りすることを心配するファンも同じだろう。兵役期間の短縮が、なるべく早く実施されることを期待したい。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2018.03.10