1982年生まれのイ・ジュンギ。韓国の芸能界において彼の立ち位置は独特だ。言ってみれば、「イ・ジュンギの前に道はなく、彼の歩いた後に道ができる」という感じ。自分の潜在的な力を新しいイメージで表現するのが彼のスタイルなのだ。
類型とは無縁
韓国において時代劇は、ただの一つのジャンルというわけではない。歴史好きな国民が興味深く見るという意味で、制作者が誇りを持てるジャンルなのだ。
それゆえに、歴史的な史実の描き方が常に論議の的になる。あまりに実在の人物にフォーカスしすぎると、同じ類型の登場人物が多くなってしまう。そこに、時代劇の難しさがある。
しかし、イ・ジュンギが主演した時代劇の奔放さは特筆ものだ。
彼が演じる時代劇の主人公は常に魅力的だ。作品ごとに斬新なキャラクターがストーリーの中を縦横に動き、視聴者を存分に楽しませてくれる。
そういう意味で、イ・ジュンギは類型とは無縁の俳優だ。そのことは、彼が主演した作品名を挙げればわかる。
映画なら『王の男』、ドラマなら『一枝梅(イルジメ)』『アラン使道伝』『朝鮮ガンマン』『夜を歩く士(ソンビ)』『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』など。
今まで見たことがないような美しい役を多様に演じるのがイ・ジュンギの真骨頂だ。
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