2012年のデビュー以来、本国・韓国において圧倒的な支持を得、世界中で破竹の勢いで知名度を上げ人気を獲得している6人組のヴォーカル&ダンスグループ「B.A.P」。「Best(最高の)Absolute(絶対的な)Perfect(完ぺきな)価値を追求する」ことを掲げたグループ名に違うことない、完成度の高い楽曲とパフォーマンスとを武器に世界を股にかけて活躍中の彼等が、世界4大陸ツアーの最終地、ここ日本でのツアーを6月4日(水)、福岡よりスタートさせた。
正式なライブとしては福岡初の公演にも関わらず、開演前から多くのファンが詰めかけていた。青白いライトとスモークに包まれたステージが静かに開演の時を待っている。と、SEが静かにフェイドアウトし、期待感と熱気に満ちた場内に爆発音が響き渡った。警笛が鳴り、ステージ上のスクリーンモニターに次々と映像が浮かび上がる。途切れることない歓声のなか、「B.A.P」の楽曲をサンプリングしたオープニング・ミュージックが流れる。
静けさと緊張感をたたえたイントロに、場内は一瞬静まり、すぐに歓声へと変わった。そして、バン・ヨングク、ヒムチャン、デヒョン、ヨンジェ、ジョンアプ、ZELOーダンサーを従えてのメンバーの登場に、歓声は嬌声へ。日本での2ndシングル「ONE SHOT」が導く、重厚で壮大な幕開けだ。さらに、“もう変わる時がきた/俺たちはパワーを持っている”というメッセージと共に放たれたのは、荘厳ささえ感じさせるほどの「POWER」。ヒップホップをベースにした骨太で重厚なサウンド、エモーショナルなメロディーとそこに絶妙に絡む低音ラップと高速ラップ…他の韓国発アーティストとは一線を画し、より刺激的な昂りを与えてくれるB.A.Pの魅力は、序盤から全開であった。
LEDを駆使し、楽曲の世界観を鮮やかに伝えるビジュアライズを施したステージ演出も非常に斬新。左右両サイドのモニターに映し出される、ライブ中のメンバーの激しいパフォーマンスや豊かな表情とも相まって、こちらも実に刺激的だ。
中盤、ボクサーをイメージした映像ストーリーに続き、ステージ上にLEDで描かれ作られたのはボクシングのリング。グルーヴ感あふれるサウンドに乗せて、伸びやかなヴォーカルと高速ラップがまさにパンチのように炸裂する「PUNCH」だ。そして続いたのは、この夜のハイライトのひとつと言える「NO MERCY」。赤と紫紺のライトの下、不穏で攻撃的な重低音が全身を揺らす。日本での最新シングルであり、本国でも彼等をスターダムに押し上げたという1曲は、声、ダンス、表情、眼差し…全てにおいて「B.A.P」ならではのアグレッシヴな魅力を凝縮しその存在感を見せつけてくれた。かと思えば一転、「RAIN SOUND」では、アコースティックな手障りを残したサウンドと美しい日本語の歌詞、ハイトーンヴォイスが切なく響き合う。マイナーコードのメロディーやその歌に絡む慟哭のようなラップ、刹那的な表情もまた、ファンの心を捉えて離さない最たる魅力だ。
また、MCでは彼等のエンターテイナー性を感じる演出もたっぷり。6人がコーヒーカップで乾杯したり、最前列のファンにコーヒーをふるまったり。中盤では、「B.A.P」ファンにとってはお馴染みのキャラクター=マトキが活躍する場面やダンスティーチングのコーナーも。こういったシーンは、クールな音楽面と対照的だからこそ、ファンにはたまらないライヴならではのシーンだろう。ヒムチャンとデヒョンを中心にしたメンバー紹介における「皆さん、こんばんは!福岡、久しぶりです。今日はホントに来てくれてありがとうございます!」と勉強中の日本語で、たどたどしくも一生懸命に感謝を伝える姿も、然り。福岡ファンに向けては「バリ好いとうよ」も連呼し、地元ファンも熱狂した。
人気曲「HURRICANE」から始まった終盤では、再びダンサーを従えての躍動感あふれるステージングを展開。ラストナンバー「CRASH」ではサプライズで客席へ降りたメンバーとオーディエンスとが一体となって歌い、踊り、笑顔を弾けさせた。そして、アンコールでは本国でアルバムがチャート1位を獲得したことの報告とともに、デビュー曲「WARRIOR」をこの夜最大の熱量をもって披露しての終演。まさに、「B.A.P」の魅力を伝えて余りある、約2時間全21曲(本編19曲+アンコール2曲)であった。
日本ツアーは今後、名古屋(6/10,11)、大阪(6/13,14,15)、そして千葉・幕張メッセ(6/22)と続くが、さらに、ファンからのあつい要望に応える形で、6月21日(土)には幕張メッセでの追加公演が急遽決定!こちらのチケットは6月14日より一般発売となる。