持ち味を変えたソン・スンホン
この映画を見ていたら、筋骨隆々としたヒョンビンの身体に圧倒された。弓を引くときにアップになった背中の筋肉といったら、まるでボディービルの選手のようだった。さらに、映画の中で見せた殺陣も迫力満点で、「本当にあのヒョンビン?」と意表をつかれる思いがした。
厳しい海兵隊で兵役を全うしたヒョンビンは、それ以前の柔らかいイメージよりも、強く逞しい印象が前面に出るようになった。兵役を経たことで、自分の俳優としてのキャリアに強さと逞しさを加えたのである。
そのヒョンビンの変化を見ていて思い出したのがソン・スンホンだった。
彼は2004年に意図的な兵役逃れを画策していたことが発覚して、世論から糾弾された。すぐに謝罪して反省の姿勢を見せた彼は、自ら最前線に志願して兵役に入った。
その兵役を終えて帰ってきたとき、ソン・スンホンが選んだ復帰作がドラマ『エデンの東』だった。
この作品でソン・スンホンが見せた骨太の演技には驚いた。かつてのソン・スンホンは『秋の童話』にしても『夏の香り』にしても、繊細な演技が身上だった。
そこから一転して、『エデンの東』以降の彼は、ときには無骨に、ときには過激に、男の生きざまを果敢に披露している。
このように、ソン・スンホンは兵役を経て明らかに自分の持ち味を変えたのである。(ページ3に続く)