キム・ギドク監督(56)に頬を殴られるなどの暴行を受け、望まないベッドシーンを強要されたとしてキム監督を告訴した女優A氏側が公式立場を明かした。
韓国の全国映画産業労組、女性映画人会、韓国独立映画協会、全国性暴力相談所協議会(126か所)、韓国性暴力相談所、韓国女性団体連合、韓国女性の電話などが構成したキム・ギドク事件の共同対策委員会は8日午前、ソウル地方弁護士会会館で記者会見をおこない、「キム・ギドク監督の行動は演出ではなく暴力」と声を上げた。
イ・ミギョン韓国性暴力相談所所長は「この事件は4年前に発生したものだ。多くの方が被害者に、なぜこれまで黙っていて、いまになって出てきたのかと問う。しかし、この方(女優A氏)は何も訴えていなかったわけではない」とし、「当時も相談所や国家人権委員会などに相談や陳情をおこなった。しかし、社会のどこからもすっきりとした回答を得られず、その間、心理相談センターや病院にも訪れ、苦痛と怒りに堪えてきた。そして、今年1月に映画人直訴制度を通じて、再び公式に問題提起したものだ」と説明した。
女優A氏の合同弁護を担うイ・ミョンスク韓国女性児童人権センター代表兼弁護士はA氏の状況を詳細に伝えた。イ氏は「台本にない困惑する場面を強要するのは、演出にならない。さらにA氏は暴行や強要が起きたその後も撮影を正常に進めたが、キム・ギドク監督が恐ろしすぎて呼吸困難になった。キム・ギドクフィルム側と数回に渡って相談し降板を決めたが、この事件が知らされるとすぐにキム・ギドク監督側は無断離脱だと明らかにしている」とキム・ギドク監督側の主張に反発した。
また、「その上、こうした事実が広まった後、率直な自己反省や謝罪どころか、演技指導・演出・無断離脱などの単語で被害者を非難したことは、世界的な有名監督やその側近の身の振り方として非常に不適切であり、また別の犯罪を構成しかねないという部分も留意すべきである」と声を高めた。
イ氏は被害者の二次被害を防いでほしいと訴えた。「私どもが調査を始めてからこの事件を広く伝えることができた。しかし、加害者が被害者に化けて、被害者は二次被害にまで及び深刻な苦痛を受けなければならなかった。この事件はキム・ギドク監督だけでなく、当時苦労した俳優やスタッフもいるため、被害者の二次被害を防止し、善意の被害者が現れないようにすべての調査を終えて静かに告訴状を受け付けた」とし、「そんな中、意図せず報道がなされ、急に記者会見をすることになった」と明かした。
続けて「被害者は4年ぶりに勇気を出して告訴に踏み切った。捜査結果を待ってほしい。また、映画界を含む文化芸術界全般に蔓延した人権侵害の実態と改善策に対して、広く関心を持ってほしい」と強調した。
WOW!korea提供