深刻な経済格差
1990年代後半に、韓国の国庫が空になるという経済危機が訪れます。韓国の経済、政治、文化の社会全般が大きな変化を強いられるようになったこの出来事は、逆に貧冨の格差をより強くしました。権力層は自分たちの地位と財産を守るために、より強固な支配システムを作るようになります。
しかし、経済危機はそれまで野党だった金大中(キム・デジュン)政権の誕生に大きな影響を与え、金大中から盧武鉉(ノ・ムヒョン)に至る10年間の「国民の政府」「参与政府」の時期が作られました。一生を独裁政権と戦った2人の大統領の時期は国民にもっと広い目で社会の問題を見る能力を与えました。そして自分たちが血と涙で勝ち取った権力の重さも知るようになります。
2007年に世界金融危機が訪れ、韓国も経済的に危機意識が高まりました。かつて経済危機で全国民が苦難を味わっただけに、国民の不安は大きいものでした。その結果、経済だけは守ってくれだろうと思いから選択した大統領が、財閥のヒュンダイで社員から社長まで昇った李明博(イ・ミョンバク)でした。
しかし、李明博は徹底的に財閥と権力層に寄った政策を続けました。金大中、盧武鉉が政権を担った10年間、様々な制限を強いられていた特権層は、李明博政権の庇護の下でそれまで取り損ねていた利益を戻そうとしました。そのため、また貧冨の格差は激しくなり、国民たちは消失感さえ覚えるようになったのです。
その経済格差は、朴槿恵(パク・クネ)政権になってさらに広がりました。それが、今の韓国の大きな問題点になっています。
果たして、5月から始まった文在寅(ムン・ジェイン)政権が経済格差の縮小に成果を見せられるでしょうか。
その手腕が問われています。
文=朴 敏祐(パク・ミヌ)
コラム提供:ロコレ
http://syukakusha.com/
日本で平昌(ピョンチャン)五輪が絶対に盛り上がる4つの根拠!