安定した経営の難しさ
前記のように、テレビ局に所属しているときに大ヒット作品を演出したPDが、自ら制作会社を立ち上げて活躍する例が多い。
とはいえ、その制作会社が安定した経営をできるかどうかは、ひとえに人気ドラマを量産できるかに掛かっている。
巨匠という名声を得た監督といえども、次々にヒット作を作れるとは限らない。視聴率が低迷するようなドラマを1本でも作ると、その後の経営に大きな影を落としてしまう。実際、卓越した演出能力を持った監督でも、制作会社の経営となると、まったく別の能力を要求されるのだ。
そういう経営の難しさに対応できない場合もある。
よく知られているように、キム・ジョンハク・プロダクションを主導していたキム・ジョンハク監督は、俳優のギャラの未払い問題を起こしてしまい、自殺を余儀なくされてしまった。
この出来事は、各制作会社を震撼させるほど大きな衝撃を与えた。有名な監督とはいえ、制作会社を安定的に運営していくのは並大抵ではないのだ。(ページ3に続く)