新しく船出した文在寅(ムン・ジェイン)政権。取り組むべき課題は山積しているが、その1つが日韓関係の改善である。保守政権時代の9年間で悪化した両国の関係を新しい政権がどのように立て直そうとするのか。今後の文在寅大統領の動向に注目したい。
悪夢の9年
新しい政権をスタートさせた文在寅大統領が選挙期間中に繰り返し強調していたのが、「積弊(チョクペ)の清算」だった。
この「積弊」は、「積もりに積もった旧来の弊害」という意味だ。
旧態依然とした韓国の悪弊を正していくことが文在寅政権の課題となる。
同時に、新しい政権にぜひ改善してほしいのが日韓関係だ。韓国では9年間にわたって保守政権が続いたが、この時期に日韓関係は極度に悪化してしまった。
2人の大統領……李明博(イ・ミョンバク)は政権末期の人気取りで竹島(韓国では独島〔トクト〕)に上陸して日韓関係を台なしにしたし、朴槿恵(パク・クネ)は偏屈な対応で日本との首脳会談にまったく応じなかった。
この2人の大統領がおかした痛恨の誤り。まさに「悪夢の9年」であった。(ページ2に続く)