韓国の中高年男性はあまり歴史物を見ません。あまりにも史実からかけ離れており荒唐無稽だからと決め付けているからです。例外的に高視聴率(最高視聴率四十九・六%)を記録したのが、歴史的事実に忠実で骨太の壮絶な権力争いを描いた「龍の涙」です。年齢性別を問わず人気があり、歴史物のブームの火付け役になりました。朝鮮王朝の建国から王権が確立される過程を三代目の王太宗を中心に描き、全百五十九回も続きました。
また、二〇一四年に人気が出たドラマに「鄭通伝チョン・ドジョン」(全五十回)があります。これは王ではなく王と対立する官僚(臣下)の立場から描いたもので、お父さん族を魅了しました。
韓国においても歴史物に対する議論が絶えません。ストーリー展開が興味本位で歴史的事実を大きく逸脱しているとか、時代考証が十分でないとか、口うるさいお父さん族は異議を申し立てます。
私の個人的意見としては、日本の大河ドラマのほうが韓国よりも事実にもとづいて製作されている気がしますし、韓国にも隠れ大河ドラマファンがおりNHKの歴史物を心待ちにしている層がいます。
文=権鎔大(ゴンヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大発行/駿河台出版社)
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