<コラム>4人組になった「KARA」、非公開の初ステージ

<コラム>4人組になった「KARA」、非公開の初ステージ

日韓で活躍する5人組のガールズグループ「KARA」。メンバーだったニコルの脱退に続き、4月にはジヨンの契約満了を控えている。

昨年の1月には東京ドーム公演も成功させ、その健在ぶりをアピールした彼女たちだが、2人の脱退が現実化しつつある今、その人気にも陰りが出始めていると、日韓のマスコミは報道しているようだ。

その根拠になっていたのが、先週、埼玉を中心に展開する食品スーパーの社内イベント。二コルが抜けた4人組の「KARA」は、このイベントのため、非公式に来日していた。非公開のイベントではあったが、この現場に駆け付けたファンたちのSNS書き込みなどもあり、水面下では話題を集めている。

なお、この社内イベントの司会は元日テレアナウンサーなども出演していたと伝えられており、企業系イベントとしてはかなりのレベルだった様子。
そして「KARA」の出番は丁度お昼の時間で、同社の事前告知物には、なんと「昼食取りながら観覧可能」などと書かれていたという。

これを受け、日韓のネット上では、「K-POP女神たちの激しい凋落ぶり」、「司会者が一流でも所詮は近所のスーパーのイベント事」、「ドームから一気に落ちたね」、「市町村の老人ホームをまわるよりはいいんじゃないの」、「うちの地元の温泉イベントにも来て欲しい」などと、皮肉なコメントが寄せられた。

しかし、今回の騒ぎから、「KARA」の明るい未来を感じている。ゴディバ(GODIVA)伝説を思い出すからだ。トップのアイドルでありながら、「昼食取りながら観覧可能」のイベントに出演することは、トップの自分を捨てる勇気が必要なわけだ。その勇気があれば、「KARA」の未来は明るい。

さて、ゴディバ伝説とは何か?中世のイギリス、重い税金に苦しむ町があった。領主が建設事業に走っていて、歳出が多すぎたからだ。民の生活を理解していた美しいゴディバ夫人は、領主である旦那を説得するため、全身裸のまま馬に乗る。そして、ゆっくりと町を一周する。

人々は、女神のような夫人の心優しい行動に敬意を表し、窓を閉め込んだまま町に出ない。名作絵画としても描かれていたり、高級チョコレートの名前としてもその伝説が語り継がれてきたりした。

一方、「KARA」が出演したこの社内イベントスケジュールは、昨年から組まれていたもので、ステージ上では「ミスター」、「STEP」などお馴染みのヒット曲が計6曲も披露された様子。
4人組の「KARA」としては初めてのステージだったが、完全非公開スケジュールで、非公開のイベントであったので、日韓のメディアにはほとんど露出されていない。

日本では、K-POPブームの火付け役として「少女時代」に勝るとも劣らない人気を誇ってきた「KARA」。韓国では例年よりも激しい「ガールズグループ対戦」が勃発中。二コルの脱会騒ぎの後、人気低迷とも思われるほどマスコミへの露出を控えてきた「KARA」。日韓のメディアは、ここに来て、今回の社内イベントをきっかけとして、半信半疑の目で「KARA」を見つめているようだ。

4月のジヨン脱退まではこのピンチが続くと思われるが、所属事務所(DSPメディア)は、「4月以降は残りの3人のメンバーを中心にチームの再整備に集中する。」と発表しており、現在は「新KARA構想」を練り込んでいる様子。

当面は、ドラマや映画出演を中心としたメンバーのソロ活動が続きそうだが、今年の後半には「新生KARA」の姿も見られるだろう。

「試練の後は跳躍」という言葉もあるが、彼女たちはどんな姿勢でこの局面を迎えているのだろうか。スンヨン、ギュリに続き、ハラのソロ活動を楽しみにしながら、「KARA」の復活劇を想像してみる。

心配は要らない。現在4人組の「KARA」には、デビュー当時の「気持ち」と同時に、女神のような「GODIVA」の甘い匂いがするからだ。

2014.03.05