日本から一番近い隣国の韓国。果たして、どんな国なのだろうか。まだよくわからない人のために、韓国という国の基本的なことを説明してみよう。夏休みを利用して初めて韓国に行く場合に、特に知っておいたほうがいいことを簡潔にリストアップした。
〔1.言語〕
日本語と語順が同じで、漢字が基本になっている点も同様。しかも、日本語も韓国語も世界で少ない膠着語(こうちゃくご/助詞で順につなぎ合わせていく言語)である。発音がよく似た単語も多い。
日本の「ひらがな」に相当する表音文字が「ハングル」だ。1443年に作られた民族独自の文字。読むだけなら難しくないので、ぜひ覚えてみよう。
〔2.交通機関〕
韓国を旅していて一番助かるのは交通料金の安さ。韓国の鉄道の料金は日本の3分の1ほど。それほどに違いがある。逆に、韓国から日本に来た人は鉄道料金の高さにビックリしてしまう。
なお、韓国では高速バスも非常に発達していて、便数がひんぱんにあるので便利。タクシー料金も日本よりはるかに安い。
以上のように、交通機関の料金の安さは韓国旅行の利点の1つだ。
〔3.食事〕
韓国人はよく食べる。「飯食ったか」が挨拶言葉になるほど食に対して貪欲。特に野菜をよく食べる。統計によると、日本人より約1.8倍の野菜を食べるそうだ。
なお、食堂では、メインのメニューを頼めばキムチや野菜などの惣菜が無料で数多く出てくる。頼めば、無料でお代わりもできる。テーブルに並びきらないほど惣菜を並べるのが韓国式である。
〔4.韓国で酒といえば焼酎〕
韓国は世界でも有数のアルコール消費国だが、最も飲まれているのは焼酎である。これが圧倒的なナンバーワン。350cc入りの小瓶を冷蔵庫などで冷し、一口サイズの透明なグラスに注いで飲む。
日本人のようにお湯や炭酸で割ったりせず、ストレートでそのまま口に運ぶ。焼酎を何かで割ろうとすると、「だらしのない奴」と思われるのがオチ。だから、韓国ではストレートで飲む習慣を身につけよう。ただし、飲み過ぎには注意。
アルコール度数はたいてい25度だが、最近は20度前後のものも多い。銘柄は日本にも輸入されている「真露」が一番人気だ。
焼酎の他には、ビール、マッコリ(どぶろく)、薬酒などが好まれる。韓国のマッコリは酸味がほどよくて実に旨い。辛い料理にも合うのでぜひお勧めだ。
〔5.朝鮮半島の歴史〕
有史以来、小国が割拠する状態だった朝鮮半島も、4世紀以降には北部の高句麗(コグリョ)、南西部の百済(ペクチェ)、南東部の新羅(シルラ)という三国が鼎立する三国時代を迎えた。
軍事的には高句麗が最も強力だったが、6世紀末に中国を統一した隋に度重なる侵略を受け、これを撃退したものの国力を疲弊させた。隋を滅ぼして中国の覇者となった唐も朝鮮半島に領土的野心を見せ、新羅と連合した。まず連合軍は660年に百済を滅ぼし、続いて668年に高句麗も破った。
その後、新羅は唐の勢力を追い出すことに成功し、676年に朝鮮半島で最初の統一国家を打ち立て、首都の慶州(キョンジュ)を中心に高度な仏教文化を発展させた。
新羅のあと、朝鮮半島は高麗(コリョ)王朝、朝鮮(チョソン)王朝と続き、1910年に日本の統治下に入った。1945年に植民地支配から解放されたが、1948年に、南部の大韓民国と、北部の朝鮮民主主義人民共和国に分裂。1950年には朝鮮戦争が勃発したが、1953年に休戦となり、現在に至っている。
文=「ロコレ」編集部
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